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アリババの10~12月期の売上高予想は、前年比44%増であった。実際は41%増にとどまり未達である。消費の減速を裏付けて、16年以来の低い伸び率に終わった。

 

例年11月11日の「独身の日」の豪華セールスは、昨年の売上高が27%増と17年の39%増から減速していた。このことから、10~12月期の売上高減速は予想されていた。それでも44%の予測であったが、それすら下回って中国経済の減速状況を示すことになった。

 

『ロイター』(1月30日付)は、「アリババ、10~12月売上高が3年ぶりの低い伸び、中国経済減速が打撃」と題する記事を掲載した。

 

(1)「中国の電子商取引大手アリババ・グループの第3・四半期(2018年1012月)決算は、中国経済の減速や米中貿易戦争が影を落とし、売上高が2016年以来の低い伸びにとどまった。 41.2%増である。18年1012月の売上高は1172億8000万元(174億7000万ドル)。前年同期の830億元から増えたものの、リフィニティブがまとめたアナリスト予想の1189億元には届かなかった。一方、純利益は33%増の309億6000万元でアナリスト予想を上回った」

 

10~12月期の売上高が、前年比41%増に止まったことは、過去の伸び率を比較して、やはり「違和感」を持たざるを得ない。一見、4割増は驚異的な増加率であるが、アリババの過去の業績推移では「何か起っている」感じを否めない。個人の所得増加率が伸び悩んでいることと、家計債務の増加が足かせになっているのであろう。

 

(2)「例年、11月の「独身の日」を含む1012月期は、売上高がもっとも膨らむ時期である。18年の「独身の日」では過去最高の300億ドルを売り上げたものの、前年同期と比較した伸び率は、「独身の日」イベントが始まって以来、最低となった。アップルをはじめ、世界の企業が中国経済減速の打撃を受けている。アリババは、中国都市部の市場飽和の兆しを受け、電子商取引以外に新規顧客を求めており、10~12月期もクラウド・コンピューティングやAI(人工知能)、オンライン・エンターテインメントに積極投資を続けた。クラウド部門の売上高は84%増の66億元。デジタル・エンターテインメントとメディア事業の売上高は20%増の65億元となった」

 

中国経済は、不動産バブル崩壊後に起こる信用機構問題が、重苦しくのしかかってきた。ただ、中国政府による情報管理で多くの国民は、その実態を知らされずに過ごしているだけであろう。独裁国家というものは、こうやって国民の目を欺いている。この先、アリババの売上がどこまで減速していくか、その推移を見守りたい。国民が、それをいつ知るのか。その点が興味深い。