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米国司法省は、先にファーウェイ(華為技術)を23の罪で起訴したが、これとは別件でファーウェイ研究所を家宅捜索した。容疑は、米国企業に新製品サンプルを提出させた後、無断でサンプルを分解し、技術窃取した疑いによるもの。

 

売上高10兆円以上のファーウェイが、米国の小規模企業の新製品技術まで窃取しようとする行動は異常と言うほかない。改めて、ファーウェイという企業のポリシーと、その背後に控える中国政府の存在に大きな関心が集まる。偶然、米通商代表部(USTR)は4日、中国のWTO規定の順守状況に関する年次報告書を議会に提出。経済・通商分野における中国の現在の姿勢を有意義な方法で制限するWTOの新規定の協議について、成功すると期待することは非現実的だとの見方を示した。

 

『ブルームバーグ』(2月5日付)は、「華為技術の研究所をFBIが家宅捜索、中国企業を標的とした大作戦」と題する記事を掲載した。

 

(1)「4インチ(10センチ強)四方で両面とも透明なそのサンプルは、普通のガラスのように見える。検査のために華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)が所有する米サンディエゴの研究所に送られた際、貴重な標本のように厳重に梱包されていたと、発明者のアダム・カーン氏は確信している。それが昨年8月に送り返されてくると、ひどく破損していた。カーン氏は絶対におかしいと思った。中国の通信機器メーカーの華為は自分の技術を盗もうとしていたのだろうか」

 

新製品サンプルの性能を検査することは当然としても、解体して技術構造を調べたことは、明らかに技術窃取の意図であろう。

 

(2)「発明家の常で、カーン氏は製品を模造されることを非常に警戒していた。それでも、潜在的顧客である華為が、サンプルを受け取ってから怪しい行動を取り始めた時には不意を突かれた。米連邦捜査局(FBI)が自身とアカーンの最高執行責任者(COO)のカール・シャーボフ氏に華為を巡る捜査への参加を求めると、さらに驚いた。FBIは両氏に、ラスベガスで先月開かれたコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)で華為の代表団とミーティングすることを求めた。シャーボフ氏は監視用の機器を装着し、会話を録音した。ブルームバーグ・ビジネスウィークの記者は離れたところから見守っていた。この捜査は、最近発表された大陪審による華為起訴とは別件」

 

この記事は、米国の他誌でも報じられておりFBIがこの事実の公表を認めたこと自体、異例であろう。それだけ捜査の行方に自身を持っているのかも知れない。

 

(3)「カーン氏は当初、自社の件に関して当局が華為を起訴するか誰かを逮捕するまでは、おとり捜査の詳細を公表しないようビジネスウィークに求めていたが、自社の立場などを考え事件およびFBIへの協力について公にすることにした。FBIが華為の研究施設を捜索した1月28日の夕方、カーン氏とシャーボフ氏は電話で説明を受けるとともに、華為とこれ以上の接触を持たないように指示された。捜査の結果がどうなるかまだ分からないが、まだ収入もないシカゴの小さな企業であるアカーンに本当に中国から手が伸びていたとすれば、米企業の秘密を盗むために華為がどれほど大きな網を広げていたかが鮮明になる。一方、米検察が起訴に持ち込むには不十分、あるいは小さ過ぎると判断すれば、中国企業の不正行為を暴こうとする米国側の必死ぶりが浮き彫りになる例と言えるだろう」

 

被害者は、シカゴで企業を立ち上げたばかりで、まだ売上実績もないスタートアップ企業である。ここへいち早く目を付けてきたファーウェイは、こういう形で技術窃取に余念がないのだろう。恐るべき「スパイ性」を帯びた企業と言える。