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4日から10日までの春節は、消費低迷の波に勝てなかった。統計を取り始めた2005年以来、10%割れの8.5%増に止まった。失業者が増えたり、賃金未払いの抗議デモが頻発する中、財布の紐が固くなるのは致し方ない。

 

『日本経済新聞 電子版』(2月10日付)は、「中国、春節消費に減速感、売上高の伸び初の10%割れ」と題する記事を掲載した。

 

(1)「4日に始まった中国の春節(旧正月)休暇が10日に終了した。商務省が同日発表した期間中の国内の小売・飲食業による売上高は150億元(約162000億円)と2018年より8.5%増えた。現行の統計を始めた05年以降で伸び率が2桁を割るのは初めてとなる。中国経済の減速ぶりが年間で最大級の商戦期である春節の消費にも表れた」

 

中国経済の減速は、昨年11月ころから目立ち始めた。今年の1月になると、中小・零細企業の製造業が在庫調整に入ったことを窺わせている。景気後退は本格化してきたと見るべきだ。メーカーが在庫調整に入ると、波及先は広範囲になるから「予想外の景気減速」も想定すべきだ。「不況は馬に乗って来る、回復は歩いて帰る」というのが景気予測の格言である。久しぶりに、この言葉を思い出した。

 

(2)「商務省の発表では春節中の小売・飲食業の売上高の伸び率(8.5%)は前年を1.7ポイント下回った。インターネット通販大手、京東集団の春節中の取引額が約42%増えるなどネットが引き続きけん引役となったが、百貨店やショッピングセンター(SC)での販売が低調で足を引っ張った。9日午後、上海市内にあるSCの人影はまばらだった。多くのブランドショップが入るが、観光客らしき人が珍しそうに見学していただけ。山東省から来た会社員の男性(49)は「どれも価格が高くて手が出ない。観光を楽しむことにする」と語った」

 

生産者物価は下落基調にあるので、消費者物価も落ち着いている。「どれも価格が高くて手が出ない」という会社員の男性は、自分の懐事情を比較したものであろう。給料が上がっていれば、割高感を感じなかったはずだ。

 

(3)「身近な娯楽として定着した映画も伸び悩む。期間中の興行収入は18年の春節並みの58億元程度にとどまりそうだ。中国メディアでは当初、60億元を超えるという予測が多かったが、ヒットの目安となる10億元に迫ったのは3作品のみと客足は伸びなかった」

 

映画の興業収入が横ばいとすれば、春節の大型連休期間中、何をして時間を潰していたか。家でテレビでも見ながら、できるだけ出費を抑える「ケチケチ作戦」に徹していたのだろうか。不動産バブル崩壊後、初めて味わう淋しい春節であったようだ。来年の春節はもっと淋しくなろう。

(4)「海外への旅行者は700万人に達し、過去最高となったもようだ。海外での消費は10日の発表の対象外だが、日本でも「爆買い」と呼ばれた派手な購買行動は一段落している。訪日中国人の1人当たりの消費額は15年をピークに3年連続で減少。旅行の主目的が買い物から観光地巡りなどに移ったことも大きい」

 

今年1月、日本のインバウンド消費は、20%前後の落込みである。中国では、大都市よりも生活コストが低く、可処分所得が比較的多い地方都市からの旅行者が増える予測もあるという。この影響がどう出てくるか。春節の動向が気になるところだ。