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けさ、発行(有料)しました。よろしくお願いいたします。

 

中国景気反映の原油相場

二つの循環波で中国不況

韓国輸出の2割が半導体

米国より高い韓国の最賃

 

世界経済に黒点が現れてきました。各国の長期金利が下がり始めています。株式を売った資金が、安全資産とされる国債へシフトしているのです。これは、投資家が企業収益の増加に限界を察知し、株式を売って国債へ乗り換え始めたことを意味します。

 

この現象の背後には、いくつかの理由があります。

 

.リーマンショック後10年経ち、世界経済の成長に限界が見えてきました。その最大の牽引力となった中国経済が、はっきりと息切れしている現実です。債務というテコを使って急成長しましましたが、債務に見合った投資利益が上がらず、債務がGDPの300%と空前絶後の状態です。中国発の不況ドミノが世界を覆うという危機感が強まっています。

 

.リーマンショックの震源地である米国は、景気回復と信用秩序の維持のために超金融緩和を続け、世界中に流動性を供給しました。この異常な金融緩和もすでに終わっており、正常化に向け金利を引き上げてきました。その影響が、世界経済全体に現れてきたのです。米国経済自体も、そのエコーに影響を受けるという相互連関性が強まっています。

 

.米中貿易戦争が、前記の2つの要因を背後からプッシュした形になっています。「世界の工場」とされる中国が、対米輸出にブレーキがかかっているほかに、中国の人件費上昇の重圧が一挙に表面化しています。この結果、中国企業自身が「脱中国」という動きを見せているのです。例えば、中国の玩具工場は世界生産の首位ですが、ベトナムへの移転を模索しています。これまで落勢を強めてきた中国経済は、米中貿易戦争で一挙に傾斜リスクが高まっています。

 

中国景気反映の原油相場

世界経済の動きは、長期金利の動向だけが尺度ではありません。原油や資源価格の動向も重要です。ここでは、原油価格の動きを見ておきます。

 

2014年に1バレル100ドル台をつけた原油価格は、15~16年にかけ30ドル割れ事態になりました。昨年秋から今年初めにかけては、80ドル近くから40ドル台前半まで低下しました。現在は50ドル台ですが、さらに低下するとの専門家の予測が出ています。原油価格には、中国経済の動きを反映する「写真相場」の趣があります。

 

中国は、15年初めから16年半ばにかけて、景気が落込みました。それは、IHSマークイット調べの中国製造業の購買担当者指数(PMI)が、好不況の分岐点の50を割ったことで明です。この間、原油価格は大きく下落しました。このように、PMIは注目すべき指標となっています。15年初めから16年半ばにかけて起った景気の落ち込みは、後述の在庫循環現象でした。約4年に1度起る循環現象で、市場経済に不可避です。

 

今年1月、マークイット調べの中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は48.3と、節目の50を2カ月連続で下回りました。約3年ぶりの低水準です。原因は、新規受注がさらに減少したほか生産も落ち込みました。中国経済が、ますます減速しているという懸念を強めています。

 

新規受注の低下から見て、今後も製造業PMIは低下する公算が強いのです。中国の製造業PMIと原油価格は、密接な関係を持っています。このことから、世界経済は減速カーブを回ったと見て間違いありません。

 

二つの循環波で中国不況

新規受注減と生産の落込みについて、もう少し説明を加えます。中国経済が在庫調整に入ったことを意味するからです。1月の生産者物価指数が前月から急速に鈍化し、前年比+0.1%とほぼ横ばいに止まりました。2月以降は、前年比マイナスに落込むでしょう。経済は、在庫調整(在庫循環)に入ると「玉突き」と同じ現象で、多方面に悪影響を及ぼし、生産活動を抑制します。一段の景況観の悪化が見られます。(つづく)