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文大統領の政治の師である盧武鉉・元大統領は、国益を重視して対米協調外交を行なった。政治的信条は別だが、苦渋の選択のできる度量があった。文在寅氏はどうだろうか。完全な「文学青年」である。与党支持基盤の労組と市民団体の意見だけを受入れて、ひたすら北の正恩氏と誼を通じ、あたかもそれが「新外交」と錯覚している。

 

今回の、米朝首脳会談では100%、合意ができると読んで北との交流事業にのめり込んでいた。決裂した後でも依然として、交流事業が「非核化を促進する」と言っている。米朝首脳会談で米国が北朝鮮へ提示した「完全非核化前にはいかなる経済封鎖解除にも応じない」という原則から逸脱している。

 

『聯合ニュース』(3月5日付け)は、「開城団地・金剛山観光、非核化に寄与する事業ー韓国統一部」と題する記事を掲載した。

 

(1)「韓国の統一部当局者は5日、稼働が中断されている開城工業団地と金剛山観光の再開について、「南北関係改善を通じ朝鮮半島の平和定着を促進し、北に明るい未来を見せ、非核化の達成にも寄与できる互恵的な事業」として、「開城団地と金剛山観光の再開について米側と協議していていく」との方針を示した。また、「(米側とまだ)具体的に議論していない」として、「大きな枠組みの中で全体的な方向を決める状況であり、具体的なことに関しては模索している段階」と述べた」

 

北朝鮮が、米国との交渉に乗り出した背景は、経済封鎖に伴う国内経済の疲弊が限界に達した結果だ。古来より、「兵糧攻め」が敵方を降参させる最適手段として知られている。米国が、この典型的な手法を取っている最中に、韓国が足下でちょろちょろした動きを見せ、足でまといになっている。これでは、北朝鮮に真の譲歩させられないのだ。

 

日本は、拉致被害者が即時解放されるまで、一切の支援を拒否している。国連世界食糧計画(WEP)や国連児童基金(ユニセフ)などでも、すでに「日本の拠出金を使うことは認めない」という趣旨の通告をしているほどだ。不法を働きながら、相手から支援を受けたいという精神が間違っている。「文学青年」文在寅は、「北風よりも太陽を」という台詞通りに動いているが逆効果である。「人を見て法を説け」である。


(2)「統一部の趙明均(チョ・ミョンギュン)長官は米朝首脳会談が事実上決裂したことを受け、4日に開かれた国家安全保障会議(NSC)で、開城団地と金剛山観光の再開について米国との協議を準備すると報告した。同当局者は「(米朝の)仲裁に向けた努力など、(韓国が)やるべき役割がある」としながらも「慎重に行っていく」と表明。その上で「制裁の枠組みを順守、尊重する立場から南北の交流協力を進めるという基本的な立場には変わりがない」と述べた」

 

北朝鮮の開城団地と金剛山観光の再開をすれば、北朝鮮の現金収入になる。これは、形を変えた「経済支援」だ。北朝鮮は、第一回の米朝首脳会談後も、核を生産していたと指摘されている。そういう疑惑の総本山のような北朝鮮へ、現金収入の道を開けば核の生産を助けるだけである。

 

北の狙いは、米国に「核保有国」として認知させることだ。文政権は、核付きで「南北統一」への道を開く狙いとも見られている。文氏は、「文学青年」を装っているが、実は「黒幕政治家」になりかねない危険な要素を抱えてもいる。文氏の生涯の目的は、「反日」である。北の核を背景にして日本に対抗しようとしている。韓国与党「共に民主党」が、暗黙の中にも北の核容認姿勢を見せている。「反日」を貫くには、北の核が必要という姿勢である。

 

韓国の政治状況は、対北朝鮮政策をめぐって与野党が分かれている。与党革新派は核容認である。保守派は核反対である。日本のマスコミ報道では、一般的に日本の革新は善意、保守は頑迷という印象報道が主流であろう。韓国は、完全に逆転している。韓国革新は、きわめて保守頑迷で支持団体の利益擁護だけである。この点を見誤ると、北朝鮮問題は理解できないであろう。