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中国の習近平国家主席は、322日から3日間イタリアを訪問する。その際、イタリアが中国の一帯一路計画へ参加する覚書へ署名するのでないかと話題になっている。習氏がイタリアを一帯一路計画へ引き込む狙いは何か。イタリア内閣でも、副首相が反対論を述べるなど混乱している。

 

中国が、イタリアを一帯一路に引き込む狙いの一つは、中国資本がフランス南西部トゥールーズ国際空港(国内4位)株式を売却し、撤退する代替策であろうか。中国資本は、トゥールーズ国際空港の筆頭株主になったが、経営権を握れず成果を上げられなかった。この結果、株式売却意向を表明し撤退する。中国は、フランスで失敗したので、今度はイタリアで政府間の覚書を結んで、イタリア国内の交通関連に出資する狙いかも知れない。ただ、憶測の域を出ず、イタリア内外で中国への警戒論が噴出している。

 


『大紀元』(3月13日付け)は、「イタリア『一帯一路』覚書検討、植民地化なら断じて応じない、内外から懸念の声」と題する記事を掲載した。

 

中国が主導する広域経済圏構想「一帯一路」への参加について、イタリア政権内や同盟国に懸念が広がっている。イタリア副首相は11日、「海外政府による植民地化構想なら応じる用意はない」と警告した。中国は、イタリアの所有する航海ルートで欧州と東アフリカ、東南アジアを結ぶ海上経済回廊を狙っている。イタリアが、一帯一路へ参加する意向は、36日、経済開発省ミシェル・ゲラシ次官補が、英『フィナンシャル・タイムズとのインタビューで明らかにしたのが発端である。唐突であった。

 

(1)「2013年に発表された中国主導の巨大経済構想「一帯一路」は、東南アジア、アフリカ、欧州、ラテンアメリカのインフラ建設を展開し、陸上および海上貿易ネットワークを構築するもの。中国が投じる資金は100兆円と試算されている。鉄道や港湾を含むイタリアの交通ネットワークは、南欧と東アフリカ、東南アジアの港を結び、最終的には中国に繋がる。一帯一路の海上経済回廊にとって要衝となる。しかし、中国のこの広域構想は、途上国に多額の融資契約を結ばせ、中国企業が建設・運営を行うため、「債務トラップ外交」「植民地化計画」などと批判されてきた」

 

中国が、イタリアを一帯一路に引き込もうと狙っているのは、立地条件の良さにある。イタリア相手であれば、中国資本で動かせると甘く見ているのだろう。中国にとって、少ない資金でイタリアに足場を築ければ万々歳だ。それだけに、外部がこの件を見る目は厳しい。イタリアが、中国に利用されるというものだ。イタリア政府内部の意見調整も終えていない段階だ。果たして、覚書に調印するところまで進むか疑問も出ている。

 

(2)「米国当局はすぐさま、イタリアの動きに懸念を表明した。39日、米国の国家安全保障会議(NSC)はSNSで次のように述べた。『一帯一路を支持することは、中国の略奪的なやり方に正当性をもたらすもの。イタリア国民の利益にならないだろう』。NSCギャレット・マーキス報道官も同日に、ほぼ同じ内容のコメントを出した」

 

米国は、敏感に反応した。早めに、反対してこの構想を潰す方針だ。米中は、覇権を争う関係になっただけに、米国は小さなことでも見逃さない姿勢である。

 

(3)「イタリア政府内でも、中国の一帯一路に反対する意見がある。イタリアのサルビーニ副首相は12日、記者団に対して「もし海外企業によるイタリアの植民地化という話なら、断じて応じる用意はない」と警告した。グリエルモ・ピッチ外務次官補は、NSCのツイートを転載し「私は懸念を共有する。私たちの同盟国を喜ばせるためではなく、より綿密な調査が必要だ」と慎重な姿勢を示した」

 

(4)「イタリアの経済界からも、中国との覚書署名を懸念する声が上がっている。輸送組合会長ルイージ・メルロ氏は、「私たちの取引増加と、増幅する中国の覇権的地位との間で、みなが認識できていないリスクがある」と現地日刊紙イル・ジオナーレの取材に述べた。

メルロ氏は、港湾や高速道路などインフラ計画の主導権を中国が握れば「指揮管理権を海外政府に明け渡すことになる」と付け加えた。欧州メディアEURACTIVは、匿名の情報筋の話として、国際交渉の役割を担うイタリア外務省を飛び越えて、なぜ経済開発省が覚書署名の意向を突然発表したのかに驚いていると述べた」

 

イタリア政府内部と経済界からも「一帯一路」への参加論に反対が出ている。これらを説得して中伊が覚書に署名するまでのハードルは高い。G7加盟国のイタリアが、「一帯一路」計画に参加するとなれば、次回のG7でかなり激しい議論を呼ぶだろう。


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