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韓国大統領府は、再三にわたり国連安全保障理事会に対し、ある写真の掲載を取り止めるよう依頼していた。北朝鮮の金正恩氏と同乗する文在寅氏の写真である。

 

その掲載誌が、なんと対北朝鮮制裁委員会の公表した定例報告書「制裁違反の事例」(12日発行)であるから皮肉だ。違反を指摘するページに、文・金の両氏がにこやかに笑う写真が掲載された。話題の写真は昨年9月、平壌で両氏がパレードに登場した際、輸入禁止のベンツのリムジンに乗っている光景だ。

 

国連は、リムジンについて文氏が、輸入禁止処分であることを知っていたはずだと見ている節がある。正恩氏と一緒に「違反車」に同乗し、親密であるイメージを発信しているから、安保理では余計に神経を払っているのかも知れない。文氏にとっては、とんだ「赤っ恥写真」になった。

 

この写真では、安保理が文氏をあたかも「北の代理人」とみているような印象を与える。また、安保理が韓国大統領府の懇請を断って掲載したところに、文氏に向けた怒りを感じさせるのだ。

 

北朝鮮への制裁違反を告発する国連の公式文書に、韓国大統領の写真が掲載されるというケースは過去に例がないという。それだけに、韓国政府が南北経済協力を無理に進めようとする、「前のめり姿勢」に警告を発したとの見方が支配的だ。一枚の写真が雄弁に物語っているのは、国連の名において北朝鮮の非核化を進めていることに対し、韓国は余りにも勝手な振る舞いをしている事実を示唆していることだ。これで、文氏の行動にブレーカがかかるのか。国連が投げたリトマス試験紙でもある。

 



『朝鮮日報』(3月14日付け)は、「南北首脳リムジン同乗写真、安保理は韓国政府の削除要請を拒否」と題する記事を掲載した。

 

(1)「韓国政府は今年1月にこの報告書の草案が作成された際、「報告書に文大統領の写真が掲載される」との情報を入手し、これを阻止するための外交に全力を挙げたという。ある韓国政府筋は「韓国政府は制裁委員会に対し、さまざまなルートを通じて『文大統領がベンツに乗っている写真の削除』あるいは『ベンツだけの写真への変更』を要請したが、これらは最終的に聞き入れられなかった」と明らかにした」

 

国連が、韓国の要請を断ったのは相当の怒りを表している。朝鮮戦争では、国連軍の名において北朝鮮・中国義勇兵の連合部隊と戦った経緯がある。韓国は、こうした歴史を考えれば、この一枚の写真が意味する重みに気付くべきだろう。

 

(2)「かつて国連で勤務したある外交官は、「制裁報告書には過去に北朝鮮関連の事業を行った韓国企業が明記されたことはあるが、韓国大統領の写真が入るのは今回が初めてだ」「国として非常に恥ずかしいことだ」などとコメントした。別の外交官OBは「制裁委員会が問題視しているのは金正恩氏のベンツだが、文大統領のこのベンツに乗った写真が報告書に掲載されてしまうと、国際社会から『韓国は制裁違反の共犯』と認識される恐れがある」と指摘した。

 

韓国が、制裁違反の共犯でないかという指摘はよく出てくる話だ。北朝鮮の石炭がロシヤの港で積み替えられ、韓国へ輸出した例が報じられている。この裏に、韓国政府が介在しているという噂は、かなりの信憑性をもって受け止められている。とりわけ、文氏による「北の代理人」風発言を聞くと、「あるいは、そうかも知れない」という疑念が湧く。

 


(3)「国家情報院の元幹部は「制裁委員会が文大統領の写真をあえて掲載したのは、問題のベンツが制裁違反品目であることを文大統領が知っていたにもかかわらず、これを無視したと見なされ、その道義的責任を間接的に問いただす意図があるのではないか」との見方を示した」

 

文氏は今後、この一枚の写真に悩まされそうである。米朝首脳会談失敗の後でも、南北交流事業に熱意を見せているからだ。文氏は、「北風と太陽」の例を引いて、頑な北朝鮮の姿勢を改めさせるには、南北交流促進が前提であると説いている。ただ、人を見て法を説けという言葉通り、聞く耳持たぬ相手に、いくら立派な人倫の道を説いても無駄である。ここは、正攻法で経済制裁の強化が、最短の核放棄の道になることを再認識すべきだろう。

 

メルマガ34号 「文政権、労組と結託し南北統一準備、反日をテコに使う危険性」が、下記の『マネー・ボイス』で紹介されました。ご覧下さい。

https://www.mag2.com/p/money/646458