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文大統領は、ひたすら北朝鮮のご機嫌伺いをしている。北は、それに乗じて文氏を翻弄する動きに出ている。22日には、北朝鮮開城の南北共同連絡事務所から引揚げる始末だ。北は韓国に圧力をかけて、米朝の膠着関係を打開すべく動き出したと読める。文氏の役割は、「北の代理人」という趣である。

 

米国は、北朝鮮に対して「全面的な核放棄」を迫っており、それまでは一切、経済封鎖の解除に応じないという強い態度である。北は、これに対抗してミサイル発射基地で陽動作戦を行なったが、米軍はすぐに北朝鮮へ偵察機を出動させ、「動くな」という軍事シグナルを送った。さらに、米国本土の沿岸警備隊を朝鮮半島に派遣して「瀬取り」を封じる動きを見せている。

 

米財務省は21日(現地時間)、北朝鮮との違法な洋上取引(瀬取り)に関わった疑いがある船舶リストを発表、その中に「LUNIS」という名前の韓国船籍の船が含まれていることが判明した。韓国外交部は22日、「韓米が注視してきた船であり、国連安全保障理事会の(北朝鮮制裁)決議に違反したかどうかを徹底して調査する」と述べた。このように、「瀬取り」に加わった船舶名まで公開されるに及び、北はもはや抵抗の術を失った形である。手持ちのドルは、20~30億ドルという推測もあり、年内に底を突きそうだ。

 

こう見てくると、文在寅大統領の北朝鮮融和策よりも、米国の強硬策の方が北朝鮮に核放棄を決断させる上で、効果的という見方が有力である。米議会では、「文批判」が圧倒的である。

 


『聯合ニュース』(3月22日付け)は、「北朝鮮に焦り? 韓国を『当事者』と呼び対米交渉の仲介促す」と題する記事を掲載した。

 

北朝鮮メディアは22日、南北関係の改善に向けた措置の履行など、韓国に対し積極的な役割を求めた。ところが、北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官は15日、「米朝交渉中断を検討」と発言。また、「南朝鮮は米国の同盟であるため『プレイヤー』であって、『仲裁者』ではない」とも述べて、韓国との間に距離を置く姿勢を示していた。

 

この間、わずか1週間で北朝鮮は再び、韓国へ米朝関係の間に立つように要望するなど、めざましい動きをしている。この背後には、米国の不退転の強硬姿勢によって、交渉のテーブルに復帰する姿勢とも読める。

 


(1)「
北朝鮮の対外宣伝インターネットメディア『メアリ』は、韓国外交部が今年の業務計画で米朝交渉を仲介、促進する役割を担うと表明したことに触れ、『現実的に今の南朝鮮(韓国)当局は言葉では北南(南北)宣言などの履行を騒ぎ立てながらも、実際には米国の顔色をうかがうばかりで、北南関係の根本的な改善に向けた実践的な措置を何ら取れずにいる』と批判。その上で『米国に対し要求することは要求し言うべきことは言う、当事者の役割を果たさなければならない』と求めた」

 

(2)「対韓国宣伝用ウェブサイト『わが民族同士』は個人名の論評で、米朝関係の仲立ちをして北朝鮮制裁の枠組み内で南北交流協力を推進するという韓国統一部の今年の業務計画を、『優柔不断な態度』『北南宣言履行へのわずかの真剣さも意志も見られない』と批判した。別の宣伝用メディア『朝鮮の今日』は、自分たちの関心や利益に従わせようとする外部勢力の干渉と介入を許せば、南北関係は再び不信と対決の悪循環を繰り返すことにしかならないと指摘した。それでも、これらメディアは米国に対する直接の非難は控えた。米朝対話の再開に向け韓国の積極的な役割を促したといえる」

 

北朝鮮の対外宣伝インターネットメディア『メアリ』、『わが民族同士』、『朝鮮の今日』の三つが、揃って同じような主旨で韓国へ事実上の「SOS」を打ってきたことは、注目すべき動きだ。もちろん、韓国の北寄り仲介は不可能で、米国の強い方針が前面に出るであろう。

 

メルマガ37号 「文在寅の大誤算、日本企業『資産差し押え』は韓国衰退の引き金」が、下記の『マネー・ボイス』で紹介されました。ご覧下さい。

 https://www.mag2.com/p/money/652352