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けさ、下記の目次で発行(有料)しました。よろしくお願い申し上げます。

 

経済より南北交流を優先

50%切る個人消費比率

老齢化した韓国経済の弱味

 

韓国の文在寅大統領は、記者会見で「われわれが進む道は正しい。そのため政策を見直すことはできない」と言い切りました。経済面では、最低賃金の大幅引上げにより、2月失業率が4.7%と1月よりもさらに悪化しました。これでは、「所得主導政策」が正しいとは言えません。文氏は経済の実態が悪化しても、政策を見直す意思がないとなれば、「独善主義」と呼ばざるを得ません。なぜ、ここまで政策に自信を持っているのでしょうか。

 

これは、韓国朱子学の道徳主義によるものでしょう。文氏によれば、社会の底辺で苦しんでいる人々の賃金を引き上げる「道徳行為」を行なっている。その過程で、失業率が高まったに過ぎない。いずれ、失業率は下がるという認識と思われます。しかし、生産性を上回る最賃引上は、フランスの先行事例でも証明されているように、失業者を増やす逆効果しか生まないのです。この事実を理解しないのか。不思議でなりません。

 

経済より南北交流を優先

文氏がここまで強硬であるのは、「経済よりも南北」という政治選択をしていると見られています。高失業率は、財政資金を支出して救済すれば良い。それよりも南北問題に取り組み、大統領としての政治実績にするという選択をしているのです。南北交流は、南北朝鮮の悲願です。この面で解決への糸口をつくり、与党の支持基盤をさらに固めて、次期大統領も進歩派が継承できる環境を整えたい。そうい
う、政治プログラムを組んでいる、という指摘があるのです。


 

文氏には、次期政権も与党から出さなければならない事情があるのです。前政権の幹部クラスを次々に告発し、投獄させました。その関係者の懲役年数を合計すると、100年にもなると言われます。この間、数人の自殺者が出ました。次期政権が保守党になれば、文大統領は告発されるでしょう。告発理由は、何なりと付けられます。それに該当する「事件」はすでに2~3上がっています。

 

次期政権も進歩派与党から出す絶対条件は、南北交流の実現にかかっています。現に、文氏の支持率は、「金正恩氏」に関わるテーマが登場するたびに上がっています。これを見れば、文氏にとって「経済よりも南北」という選択が、正しいということになるのでしょう。

 

このことが、韓国の将来に有益であるかは別問題です。北朝鮮が、核の完全放棄をしない曖昧なままで南北交流を始める。その場合、韓国は「核の人質」になる重大な危機に直面します。韓国は、北朝鮮の無法な要求を飲まされる危険性が高まります。そのリスクを抱えながら、南北交流→南北統一の意義があるのかが問われます。韓国国民は、文政権が掲げる南北政策を吟味する必要があるのです。隣国日本は、北朝鮮が核を持った状態を受入れられません。日本が、文政権の早急な南北交流に危機感を募らせるのは当然でしょう。

 

韓国経済が、最低賃金の大幅引上げによって危機的な状況に向かっている事実は、IMF(国際通貨基金)が、すでにGDPの0.5%超の財政支出拡大を勧告したことに表れています。韓国政府が、今年の成長目標(2.6~2.7%)を達成するには、約9兆ウォン(約9000億円)台の補正予算が必要と見ています。現状のまま推移すれば、1.8%程度の成長率に止まるという判断なのでしょう。

 


IMFの勧告には、内需の相当な冷え込みを予想していると思われます。その前提として、韓国の最低賃金層が雇用全体の中でどの程度占めているか。それを見ておきます。

 

米国の場合、最低賃金対象の就業者比率は全体就職人口の2.3%と言われます。韓国ではこの比率が13.3%にも達しているようです。飲食宿泊業・卸小売業は、かなり高いのです。特に零細自営業は72.3%にのぼると推測されます。ここから言えることは、韓国は、最低賃金労働者によって支えられている経済ともいえます。この労働者が、低賃金で働いているのは、経営者に搾取されているのでなく、生産性が低い結果と言えます。生産性を引き上げる政策が、先ず行なわれなければ、大幅な最賃引き上げ策が破綻して当然でしょう。(つづき)

 

メルマガ37号 「文在寅の大誤算、日本企業『資産差し押え』は韓国衰退の引き金」が、下記の『マネー・ボイス』で紹介されました。ご覧下さい。

https://www.mag2.com/p/money/652352