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独裁国家は監視カメラで国民を縛り付けている。そうでなければ、支配者は枕を高くして寝られないからだ。国民から信頼されていないという証拠でもある。こういう装置をつくって無理矢理、国民に対して国家へ忠誠を誓わせる。何とも不思議な構図である。

 

中国の監視カメラの台数は、国民の数の2倍はあるという。だが、IHSマークイットによれば、中国では2016年時点で街角や建造物、公共スペースに約1億7600万台のビデオ監視カメラが設置されている。監視カメラの定かな台数が分らないほど、国民を監視しているのだ。

 

『ブルームバーグ』(3月24日付け)は、「カメラ2億台の監視社会、中国ハイテク、強権国家を手助けか」と題する記事を掲載した。

 

(1)「習政権は17年、国内の治安関連に推計1840億ドルを投じた。20年までに中国全土を網羅するカメラネットワークを導入し、交通違反からビデオゲームの好みに至るあらゆる個人情報を追跡する「社会信用システム」も整備する。つまり天津であれ別の都市であれ、中国本土内で監視されずに移動することは難しくなる状況が迫っているということだ。政府の監視プログラムを支えているのは、天地偉業などの監視に焦点を絞った企業だけではない。アリババグループや中国平安保険集団、騰訊(テンセント)などさまざまな業態の企業が果たす役割も一段と重要度が増している。目を凝らせば、中国でイノベーティブとされる企業のほぼ全てが国家の監視体制と結び付いており、そのうち何社かは米民間企業従業員向けの確定拠出年金(401k)制度を含めた世界的な投資ポートフォリオに欠かせない銘柄となっている」

 

中国では、AI(人工知能)になどIT関連ビジネスは、ほぼすべてが国家の監視体制に結びつき「スパイ帝国」を形成しているという。この国家の行く末に興味が湧くのだ。中国国民は、羊のように監視され続けるのだろうか。支配層は、そのことに胸の痛みも感じないのだろう。

 


(2)「中国の監視活動は信頼醸成や治安向上のほか、人工知能(AI)などの分野で同国を世界的に優位にさせるのに役立つとして支持する見方もあるが、著名投資家のジョージ・ソロス氏ら批判的な向きは習政権が市民監視を危険水域まで高めるテクノロジーの悪用を行っていると指摘する。新疆ウイグル自治区でのイスラム教徒弾圧が報じられる中で、ここ数カ月間そうした懸念は強まるばかりだ。天地偉業など監視カメラメーカーが海外進出するのに伴い、中国の監視産業がアフリカから中南米に至る国々で政府による市民の自由抑制に手を貸す可能性があるとの懸念もある

 

中国が、突出した監視産業を育てている。民主主義の強敵が、中国で肥大化している訳で、中国は永遠に国民監視の雄として存在し続けるのだろうか。この監視技術が、強権国家のアキレス腱になることはないのか。

 

(3)「天地偉業など監視カメラメーカーが海外進出するのに伴い、中国の監視産業がアフリカから中南米に至る国々で政府による市民の自由抑制に手を貸す可能性があるとの懸念もある。また、米国が華為技術(ファーウェイ)を厳しく検証しているように、中国製の監視機器が中国政府のスパイ活動に使われる公算が大きいとの恐れも広がる。華為傘下のハイシリコンは監視カメラを機能させる半導体の大手サプライヤーだ」

 

ファーウェイは、中国政府のスパイ活動に使われる公算がないと頻りに弁明している。だが、傘下のハイシリコンは、監視カメラを機能させる半導体の大手サプライヤーだという。表面的には中国政府と無関係でも、地下ではつながっていると見るのが常識であろう。

 

(4)「ワシントンのシンクタンク、新アメリカ安全保障センター(CNAS)のエルサ・カニア非常勤上級研究員は「社会管理・運営という目的でデータをてこのように利用する中国政府のアプローチは、世界中の民主統治の未来を含め、かなり厄介な暗示を含んだ形で国家が強制する能力を支える可能性がある」と指摘。「顔認識などのAIアプリケーションを輸出している企業の多くを監視のために利用することは可能で、つまり抑圧に使われることになり得る」と語る」

 

世界中の有識者が集まって、この国民弾圧の機器を野放しにしておくことの危険性を議論する時期が来るに違いない。「核拡散防止」と同じように「監視カメラ拡散防止」の世界協定が結ばれる。国民生活監視を防がなければ危険である。

 

メルマガ37号 「文在寅の大誤算、日本企業『資産差し押え』は韓国衰退の引き金」が、下記の『マネー・ボイス』で紹介されました。ご覧下さい。

https://www.mag2.com/p/money/652352