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中国資本が、世界遺産に登録されているロシアのバイカル湖の水をペットボトルにする事業を始める。これに対して、ロシア全土で反対運動に起っているのだ。バイカル湖と言えば、水深と透明度が世界一、湖水面積はアジア最大とされている。その「聖なる」バイカル湖が、中国資本の支配に組み込まれる。環境破壊が進むのでは、と危惧されて反対運動が始まったもの。日本では、25日にNHKが取り上げた。

 

『大紀元』(3月26日付)は、「バイカル湖に中国資本ミネラルウォーター工場、ロシア全土で抗議デモ」と題する記事を掲載した。

 

ロシア中部イルクーツク州のバイカル湖のほとりに、中国の投資で、ペットボトルに入れて販売するミネラルウォーターを製造する工場を建設する計画が浮上し、ロシア全土で抗議活動が起きた。324日、数十の都市で同時に数千人が反対デモを展開した。数カ月に渡り計画の反対を呼び掛けている、バイカル湖の環境保護運動「Save Baikal(バイカル湖を守ろう)」によれば、工場の計画ではバイカル湖の水を搾取してミネラルウォーターとして処理し、ペットボトルに詰めて中国に輸出する。建設工事はすでに進展しており、凍ったバイカル湖表面にはパイプが敷かれている。3月22日、ロシア地方裁判所は、異論に対して回答が出るまで、建設工事の一時停止を命じた。しかし、計画自体は撤回されていない。

 



(1)「ミネラルウォーター工場の建設地は湖の最南部に位置するクルツク村で、ロシア企業アクシブが担当する。しかし、2017年の工場建設計画に関する現地政府の文書によると、予算2100万ドルは、中国北東部黒龍江省大慶を拠点とする企業・貝加爾湖(バイカル湖)が出資する。施設は村の湖水利用に影響はなく、地元に雇用150人、当局に税収をもたらすと述べた。『地元で反対意見はなかった』とも付け加えた。」

 

一見、問題はなさそうだが、中国への深い反感が動機となっている。付近で、木を伐採して中国へ持ち去ったり、別荘地を開発するなど「中国人ビジネス」が警戒されている。

 

(2)「バイカル湖は、ロシア国民にとって国を代表する象徴的な湖。中国資本による淡水搾取と自然破壊に反対するこの度のデモ活動には、多くのロシア政治勢力や有名人が加わっている。ロシア共産党員の住民は、ロシアの森林が伐採された後、木材は中国に運ばれていることに強い不満を示した。また、中国人がバイカル湖のほとりで大量の不動産を購入しているとも述べた」

 

ロシアの象徴であるバイカル湖に、中国資本が進出してきたことへの反発であろう。日本で言えば、富士山麓で中国資本がペットボトル事業を始めるようなもの。国民感情を刺激するのは不可避であろう。

 


(3)「抗議活動は首都モスクワ、シベリア、トムスク、ノボシビルスクなどの大都市にまで広がった。現地メディアが伝える活動参加者によれば、デモに対して地方行政は非常に緩く、規制はないという。バイカル湖は、ガラパゴス諸島と並ぶ『生物進化の博物館』とも称されるほど、多様な希少生物が生息する。世界最高の透明度で、1996年世界自然遺産に登録された。モスクワでのデモに参加した学生は、ロシア社会がもっとバイカル湖の自然保護に関心を向けるべきだと訴えた。デモ主催側によると、参加者は数千人。ロシア当局は、このデモにロシア共産党員や党幹部が参加していることを認めた」

 

中国の略奪商法への反感が、今回のバイカル湖での採水事業に大きな反対運動を巻き起こしたとみられる。ソ連時代は、「格下」と見ていた中国経済が、すでにロシアの手が届かない規模にまで拡大した。それへの反感もあるだろう。微妙なロシア人の感情に対して、中国は配慮が足りないに違いない。

 

(4)「『運動は反中意識に関連することは間違いない』。シベリア拠点の環境保護活動家アレクサンドル・コロトフ氏は英字メディアPhysに語った。『多くの人が、国家的な遺産が中国に破壊されると考えている』と付け加えた。ロシアの専門家は、バイカル問題に対する反中の市民運動は単なるきっかけに過ぎず、政権批判に繋がっていると見ている。その一因として、土地搾取とまで揶揄される中国資本の拡大は、ロシア政治の腐敗や汚職と結びついており、現地当局はバイカル湖の環境保護に適切な対策が取られてこなかったという」

 

中国人の土地搾取は異常なほどである。中国社会が、不動産バブルで巨万の富を蓄えてきた経験から、ロシアでも何かを企んでいると警戒されているのだ。中国の身から出たサビと言うほかない。

 

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https://www.mag2.com/p/money/652352