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米大統領トランプ氏は、毀誉褒貶の激しい人である。反対派からは蛇蝎のごとく嫌われている。言葉使いが粗野であり、過去を含めた振る舞いも褒められるようなことは一つもない。前任大統領のオバマ氏と比べれば、月とスッポンの違いだ。

 

このトランプ氏が、反対派でも業績として認めるのは、対中国強硬策であるという。オバマ氏もサジを投げていた中国の行動に「タガ」をはめつつあるのだ。これは、トランプ氏のような荒馬でなければできない芸当である。北朝鮮の金正恩氏に対しても、怒って交渉の席を蹴るという演出をやって見せ、「米国を舐めるなよ」と言外に示す。「千両役者」の資格は十分と言えよう。

 

『ロイター』(3月25日付け)は、「中国に改革迫るトランプ氏に一定の理、内外で支持拡大」と題する記事を掲載した。

 

トランプ米大統領が「米国第一主義」推進のために真綿で首を絞めるように関税を駆使する行為は、企業経営者から同盟諸国、米議会の与野党双方の議員まで多方面の怒りを買ってきた。しかし、トランプ氏の政策にほとんど反対している人たちから幅広く支持されている取り組みが一つ存在する。中国に対して、市場原理をゆがめる貿易や補助金に関する各種慣行の修正を強く迫っていることだ。

 

(1)「米中貿易協議が続く中で、さまざまな政治家や企業経営者、外交官らは、米国やその他の外国企業とその社員に痛手を与えてきた諸問題を解決するために、トランプ氏と通商担当チームにあくまで中国に意味のある構造改革を要求するよう促している。米国と中国を含む39カ国で自動車の座席や電子部品を生産するリア幹部のスティーブン・ガードン氏は、トランプ氏の『貿易戦争』は、企業や外国政府が不公正とみなす政策の改革を中国に強制してくれるとの期待を解き放ったと話す。『これらの問題がすべて提起された今、解決に乗り出すことについて米国内で政治的支持がより広がっており、後戻りはできなくなっている』という」

 

関税引上げは、自由貿易の敵である。だが、中国のような自由貿易ルール破り国を反省させるには、劇薬を使うことも許される。トランプ氏は、このギリギリの線で中国に改革を求めており、自由主義国家から支持の声が届いているはずだ。

 


(2)「トランプ氏が当初今月1日に設定していた新たな対中関税導入期限を延期した際に、同氏が中国からの巨額な米製品購入提案によろめき、構造問題を放置したまま協議に合意してしまうのではないかとの懸念が生じた。ところがそれ以降、多数のロビイストや企業幹部、外交官、米与野党議員らが入れ代わり立ち代わり、トランプ氏に構造改革要求を堅持するよう働き掛けている。自由貿易推進派の急先鋒でトランプ氏の関税政策を批判してきた共和党のケビン・ブレイディ下院議員も最近こうした説得に加わり、『われわれは中国がより多くの米製品を買うのを望んでいるとはいえ、もっと大事なのは中国に知的財産権や補助金、過剰設備など世界経済を歪めてきた分野で高い国際基準を守る責任を果たさせることだ』と強調した」

 

先週には長年の対中貿易強硬派として知られる民主党のチャック・シューマー上院議員が、構造問題で引きさがり、米国産大豆などを中国に買ってもらうことで安易に妥協しないようくぎを刺した。このように、共和・民主の超党派でトランプ氏の支援に回っている。トランプ氏には、なんとも心強い応援団の登場だ。 海を越えたEUでもトランプ氏に声援を送る。

 


(3)「欧州連合(EU)は、トランプ政権が今後、輸入自動車に関税を導入する事態を警戒しつつも、中国の技術移転強要や市場アクセス制限などに不満を抱いているという面では米国と変わらない。あるEU高官は北京でロイターに『われわれには域内企業から連日苦情が寄せられている』と語り、中国政府は再三にわたって外国企業の事業環境を改善すると約束しながら、ほとんど進展がないと指摘した。欧州委員会のマルムストローム委員(通商)は、中国が国際的な貿易ルールを自分たちに都合良く気ままに利用していると非難しており、まるで米通商代表部(USTR)の声明を聞くかのようだ

 

先進国が一丸となって、中国の違法ビジネスを告発し、改革させる動きを見せている。これは、トランプ氏には心強く、中国には大逆風に映るはずだ。トランプ氏が、大統領2期目を視野に入れ始めたとすれば、中国は居ずまいを正さなければならなくなろう。習氏には、トランプ氏が最大の強敵になってきた。

 

私は、トランプ氏の対中交渉を一貫して支持してきた。毎日、中国の実態を追いかけていると、その違法の数々が濁流となって、世界全体に押し出されていることに気付かされる。その危機感がきわめて強いゆえ、私もトランプ氏に拍手を送る一人である。

 

メルマガ37号 「文在寅の大誤算、日本企業『資産差し押え』は韓国衰退の引き金」が、下記の『マネー・ボイス』で紹介されました。ご覧下さい。

https://www.mag2.com/p/money/652352