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けさ、下記の目次で発行(有料)しました。よろしくお願い申し上げます。

 

コンプレックスに悩む韓国

支持率低下原因は経済と北

足下揺るがす出生率急低下

文氏は韓国の将来に禍根残す

 

韓国の文在寅大統領は、内政問題を棚上げして、南北統一と親日積弊一掃を政権の目標にしています。南北分断は、日本が朝鮮半島を植民地にした挙げ句、太平洋戦争に敗れて撤退した結果、起ったものと見ています。この視点に立てば、日本が元凶ということになるのでしょう。

 

文氏は、この「日本元凶説」に立っているので、北朝鮮の「金ファミリー」が政権を独占し、人権弾圧を行なっていることにも寛容な態度を示しています。現に、米朝首脳会談が決裂してもなお、南北交流事業促進論を主張しています。そうでなければ、文氏の主張する親日積弊一掃と矛楯するからです。

 

コンプレックスに悩む韓国

文氏は、3月1日の「3・1節独立運動100周年」に当って、親日積弊一掃を訴えました。これは、政府の唱える「官製民族主義」といえるきわめて危険な呼びかけでした。過去の日韓併合時代の遺物を掘り返し、改めて日本への敵意を強調したからです。これをきっかけに、韓国内では、反日気運が盛り上がっています。ある自治体では、小中高で購入した日本製品に「日本戦犯企業」のレッテルを貼り付ける条例制定が検討されたほどです。この動きは、さすが政府や教育関係者の反対で沙汰止みになりました。

 

一方、「親日」が作詞・作曲した校歌の廃棄など、騒ぎが広がっています。ただ、作詞・作曲しただけで、日本を褒め讃えた部分はないにもかかわらず、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」という、徹底的な親日積弊一掃運動です。中国の「文化大革命」にも喩えられるでしょう。

 

「文化大革命」(1966~77年)は、毛沢東が失った権力を取り戻すベく、若者を「紅衛兵」に仕立てて約10年間、中国全土で暴れまわり大混乱に陥った事件です。得たものは何もなく、毛沢東の死去で自然消滅しました。文氏は、親日積弊一掃で日本への憎しみをかき立てていますが、これは成功するでしょうか。韓国の植民地コンプレックスを肥大化させるだけで、さらに深い矛楯に落込むように思われます。

 

朝鮮民族のコンプレックスを解決した韓国人学者の例を取り上げます。

 

ソウル大学名誉教授の金允植(キム・ユンシク 1936~2018)氏は、若き日に東大へ留学したそうですが、どうしても知的コンプレックスから抜け出せず悩みました。そこで、日本の文芸評論家で、かつ夏目漱石の著名な研究者である江藤淳氏(1932~99)に漱石の悩みを聞いて氷解したというのです。漱石は、文部省の海外留学として、英国留学で近代化の洗礼を受けました。その文化的なショックの余り、ビクトリア朝のロンドンの夜の街をさまよったほどでした。漱石は、その苦悩の過程で日本人としてのアイデンティティを確立したのです。

 

日本は、こうして後進国の悩みを自ら解決し、近代化に取り組んだのです。金允植教授は、韓国も日本を媒介にして近代化を開始したのだと認識し、知的な劣等感を克服したと言われます。以上の話は、『朝鮮日報』(3月31日付け)の「金允植教授の寄付と克日」と題するコラムからの引用です。

 

文大統領には、朝鮮近代化の「水先案内人」が日本であったという事実を受入れないのです。近代化の果実を認めるが、それは朝鮮人の力で成し遂げたと自負しているのです。ここが韓国朱子学の最大欠陥でしょう。朝鮮人は道徳心が高い民族である。その朝鮮人が、道徳心の劣る野卑な日本人の植民地にされた。これは、屈辱以外の何ものでもない。現代の韓国は、ぜがひでもその汚名を雪がなければならない。同時に、南北統一への準備をすすめ、日本と対抗すべきである。こういう、民族主義の主張であることは疑いありません。

 

韓国が、慰安婦問題や徴用工問題で被害者の立場を強調し続けている裏に存在するのは、朝鮮民族の誇りを汚されたという一点でしょう。その怒りは、人権問題につながり永遠の怒りであるとしています。文氏は、この流れを利用して、与党政権の永久化を狙っています。経済面で失敗しても、民族主義を昂揚させれば、それで糊塗できると安易に見ているようです。この企みは、完全な失敗に終わるにちがいありません。(つづく)