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  WTO(世界貿易機関)は、韓国政府の「福島水産物」輸入禁止措置を認めた。科学的には無害であることが証明されても、輸入禁止できるとは不思議な決定である。韓国は、「予想外の勝訴」と喜んでいる。そのこと自体が、今回の決定の不透明さを示している。

 

日本政府の声明では、「引き続き韓国に働き掛け輸入規制の撤廃を求める」としている。放射能が検出されない以上、風評で「福島水産物」を輸入規制するのは不当だ。

 

『中央日報』(4月13日付け)は、「河野外相、訪日観光客750万人、水産物輸入規制は意味ない」と題する記事を掲載した。

 

  世界貿易機関(WTO)の上訴審の結果に基づき日本8県産の水産物に対する輸入規制を維持するという韓国政府の決定に対し、日本政府が「意味のない輸入規制」と反論した。

菅官房長官は、「すでに輸入規制を実施した54の国のうち31の国で輸入規制は撤廃されている。今回のWTO報告書でも、日本産食品は科学的に安全であり、韓国の安全基準をクリアしているとの一審の判断は取り消されていない」と強調している。こうなると、ますます韓国の輸入規制は政治的な理由であることを示している。韓国市民団体の強力な圧力によるものだ。

 

韓国では、市民団体が「脱原発運動」を行なっており、文政権にこれを行なわせた。こういう政治的な流れの中で、「福島水産物」に難癖をつけることは十分に想像できよう。

 

(1)  「河野太郎外相は12日午後の記者会見で、『韓国から日本に750万人が来て和食を楽しんでいる状況で、意味のない輸入規制を続けることは2国間関係に大きな影響を及ぼす』とし、『WTO上級委員会の報告書を受けて、韓国は一刻も早くこの輸入規制を撤廃する必要がある』と韓国政府に圧力を加えた」

 

韓国からの訪日客が増加の一途を辿っているのは、放射能問題が意識にないことを証明している。韓国政府が「福島水産物」を輸入規制するならば、韓国の訪日旅行者にも同様の注意を喚起すべきであろう。韓国は、河野外相発言にあるように、「意味のない輸入規制を続けることは2国間関係に大きな影響を及ぼす」だけである。日本の反感を買うのだ。

 

WTOの今回の決定は、逆に日本から言えば、韓国製品に対する輸入規制をできる根拠を教えたようなものだ。今後、韓国で何らかの事故が起れば、日本はこれを利用して輸入規制できるはずだ。韓国は喜んでばかりいられないことに気付くべきだろう。

 

(2)「日本産水産物輸入問題が各国の国内政治とも関連しているという点に言及した。河野外相は、『台湾の公民投票も与野党が入れ替わった時に主張が入れ替わるというようなことがあった』と伝えた。さらに、香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が訪問した時の事例を挙げながら『科学的に安全性に問題はないことは分かっているが、あとは国内の政治的な問題、政治的な配慮だと、実際に相手側から言われることも少なくない』と話した」

 

韓国政府は「反日」を利用する、あるいは煽っている。だが、長い目でみれば得策ではないはずだ。日本人は、深い怒りを覚えたとき、それをすぐに口にしないが、政策決定面に表れる。具体的には、日韓漁業協定を絶対に結ばないだろう。こちらは、韓国漁船の不法漁法によって多大の被害を被っている以上、2016年に日韓双方の排他的経済水域(EEZ) における漁獲割当などを決める「日韓漁業共同委員会」の交渉が決裂して以来、そのままになっている。韓国側は日本の排他的経済水域(EEZ)を「主要漁場の一つ」にしているから弱り果てている。

 


(3)「 菅義偉官房長官もこの日午後の記者会見で『WTO改革に関する議論を含め、米国と緊密に連携、協力しながら、多角的貿易体制の維持と強化を図っていきたい』とWTO改革に言及した。菅官房長官は、日本は貿易拡大を促進するという観点で関連問題の解決に臨むのかという質問に対し、『日本は自由貿易を推進する立場』とし、このように答えた。 WTO上訴審の結果が出たことに対し、日本政府は『敗訴したのではない』と主張している。すなわち、『日本産の食品が科学的に安全で、韓国の安全基準を十分に満たしているというパネル(一審)の決定が上級委員会でも維持された』という点を強調している」

 

「福島水産物」問題は、日韓関係悪化がもたらした輸入規制である。このように政治問題化させても、韓国が得る物はない。日韓漁業協定という韓国にとって、垂涎の的は手に入らないからだ。日本が譲歩する必要は全くない。