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中国メディア『環球網』(4月11日付け)は、韓国車の中国市場シェアが4%を割り込み、韓国国内が危機感を募らせていると報じた。『レコードチャイナ』(4月14日付け)が転載した。

(1)「記事は、『中国乗用車市場情報連席会が先日発表したデータが、韓国自動車企業の危機感を高めている』としたうえで、韓国メディア『ニューシス』(11日付け)が、『現代・起亜自動車の今年3月の中国市場シェアが4%を割り込んだ。これは、現代自動車グループが2002年に中国市場に進出して以来最大の危機だ』と報じたことを紹介した。同会が先日発表したデータによると、3月の中国市場での広義の乗用車小売販売台数は前年同月比12%減の178万台となり、中でも現代・起亜は同27%の大きな減少になった。同時に、現代・起亜の中国市場シェアも落ち込み、現代は2.6%、起亜は1.3%で両社を足しても3.9%と4%に満たなかった」

 


現代・起亜自動車の今年3月の中国市場シェアが4%を割り込んだ。一時は10%まで拡大したから、不振の一言である。THAAD(超高高度ミサイル網)をめぐる中韓政府のトラブルで、中国の不買にあった影響を脱しきれないままだ。不振の理由は、品質と価格の面で中国車に追われているという。THAADだけが理由でなく、車の魅力が低下したと言われている。

 

挽回策も虚しく、土壇場へ追い込まれてきた。現代・起亜自はともに、中国の1工場を売却する方針である。操業度を高めても販売不振ではどうにもならない。

 


(2)「2002年に中国進出した現代・起亜グループは、2011~14年に中国市場シェアを10%まで拡大し、15~16年も8%のシェアを保っていたが、この2年でシェアを急激に落とした。記事は、韓国の業界関係者が『中国の消費心理の委縮が自動車市場にマイナス成長をもたらしたほか、世界の自動車業界間の競争もますます厳しくなっており、決して簡単な状況ではない』としたうえで、現代自動車が中国依存の構造の転換に力を入れ、中国での販売回復を目指すと同時に将来的に重心を中国からインドへと移すことを検討していると語ったことを紹介している」

 

両社で4%割れのシェアでは、中国での存在感はますます薄くなってくる。一時は、日本車を上回るシェアだっただけに、退勢が目立っている。昨年は、アジア市場への輸出も図ったが、アジアは日本車の牙城だけに食い込めなかったのだろう。さらに、インド市場への進出を模索するとしているが、ここもスズキが市場の5割を握っており食込むのは難しい情勢である。現代・起亜自のグループにとって、中国市場を失えば残る米国だけ。ここも不振であるから、八方塞がりとなろう。まさに、危機と言える。