a0960_001649_m
   

けさ、下記の目次で発行しました。よろしくお願い申し上げます。

 

米国40年ぶりの危機委員会

中国製造2025の実現度?

中国が抱える「3重苦」とは

問題点をさらに深掘りすると

 

 

中国は、習近平「一強体制」を築いています。国家主席「2期10年」という任期制を廃止して、習氏の国家主席は長期在任が可能となりました。こういう政治体制は、今回の米中貿易戦争を見てもリスクをはらむことが判明しました。

 

米中貿易戦争は、中国がWTO(世界貿易機関)ルールを守らないことが発端でした。米国が、改善を申し込んだところ中国は拒否。結局、米国の関税引き上げに対して、非のある中国が報復しました。米国は、中国の報復に怒りさらに関税引き上げて、対象製品を2500億ドルにまで拡大したのです。「習一強体制」でなく合議制であれば、米中貿易摩擦はここまで拡大することはなかったと思われます。

 

米中通商協議は、大詰めを迎えています。米国は、中国が合意事項を確実に履行するように検証システムをつくり、違反の場合はペナルティ(高関税復活)をつけるという厳しさをみせています。補助金の撤廃・知的財産権の保護・サイバー攻撃禁止など、中国にとって不名誉この上ない事項の遵守が要求されています。

 

常識的に考えれば、米中の経済問題はこれで一件落着と思われがちですが、中国はこれで引き下がる相手ではありません。2050年頃をメドに米国覇権に挑戦するという計画を発表済みです。留学生を使ったスパイ活動など行い、世界中から先端技術を窃取する意向を固め、推進しているのです。

 

米国40年ぶりの危機委員会

米国は、中国の挑戦を受けて危機感を強めています。

 

米国連邦議会は3月25日、「現在の危険に関する委員会:中国」を設置しました。40年ぶりに設置された「危機委員会」は、米国国内で浸透工作を行う中国の戦略に対して、より強力な防衛、経済、経済措置を取らなければならないと提言しました。この危機委員会には、国防、政治、宗教の専門家や人権活動家らが参加しています。

 

この危機委員会は、米国の対外戦略において、いかに重要な地位を占めているかを過去の設置例から見ておきます。

 

1 回目:トルーマン政権の1950年代で対ソ連戦略

2 回目:レーガン政権の1970年代に対ソ連戦略

3回目:ブッシュ(子)政権の2004年に反国際テロ戦略

4回目:トランプ政権の2019年に対中国戦略

 

以上の危機委員会設置の目的を見れば分る通り、米国は中国に対して旧ソ連並みの危機感を持っています。この危機委員会の嚆矢は多分、1911~12年の「オレンジ作戦」と思われます。対日戦略を具体化したものです。太平洋で日本軍と戦うとの想定で、ハワイを起点にして、東京・フィリピンを逆三角形を結ぶ戦略でした。日本は、この包囲網にまんまと追い込まれ自滅しました。米国のしたたかさを感じます。

 

現在の戦略では、ハワイ-フィリピン間の約8000キロの海域の中ほどにあるミクロネシアを軍事戦略地点として格上げしました。米軍は、新たな海軍施設の建設と空港滑走路の拡張についてミクロネシア連邦と協議しているところです。米国が、不退転の決意で中国の軍事的膨張を食い止める戦略を構築しています。

 


中国製造2025の実現度?

中国は、米国に対抗すべく「中国製造2025」と称するハイテク化計画を立てています。その概要は、次のようなものです。

 

 李克強首相が2015年に発表した「中国製造2025」の序文では、こう言っています。「新しい中国経済を導くエンジンは製造業である。強力な製造業がなければ国家の繁栄もない。国際的な競争力を持つ製造業の基盤を建設することは、中国が影響力を高めて国家安保を守り、世界の強大国になる唯一の方法である」

 

この序文において明確にされているのは、「中国製造2025」が富国強兵の手段であると言い切っています。最終的には軍需産業の強化につなげ、「中国が影響力を高めて国家安保を守り、世界の強大国になる唯一の方法である」としました。

 

この計画では、中国共産党創党100周年(2021年)と中国解放100年(2049年)を意味する「2つの100年」に足並みが揃えられています。中国解放100年を迎える時点で、製造業で世界最強国の地位に上り、グローバル覇権を掌握するという中国の野心が含まれています。

中国は3段階に分けて目標達成時期を提示しました。(つづく