23
   

文在寅大統領は、ワシントンまで1泊3日の強行軍でトランプ大統領と面会したが、直談判はたったの「2分」。絶句するような話だ。韓国大統領府から、会談前に何人もの外交スタッフがホワイトハウスへ掛け合った。そのたびに、南北交流事業の話なら来ないでくれと断られていたにもかかわらず、文氏はノコノコと出かけて大恥をかく結果となった。

 

文氏は政治家に向かない人である。思い込みが激しく、「南北交流」の一点張りである。他の問題は一切目にはいならいという視野の狭さが、何とも気の毒に思える。これだけ一生懸命に正恩氏の立場を弁解してやっても、「お節介者」という一言を浴びせられる始末だ。文氏は、何も得るところがない羽目に落込んでいる。

 

韓国大統領府の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長は11日(米国時間)、韓米首脳会談の成果について説明する際、複数回にわたり「両首脳は虚心坦懐(たんかい)に意見を交換した」と述べた。しかし「虚心坦懐」という表現は外交関係者の間では「それぞれの考えを主張しただけ」「何の合意も見いだせなかった」という意味で使われる言葉だという。そのため今回の韓米首脳会談では、何の成果もなかったことを韓国大統領府が事実上認める形になった。『朝鮮日報』(4月13日付け)が伝えた。

 


『中央日報』(4月14日付け)は、「トランプと直取引可能という金正恩、韓国には『おせっかいな仲裁者』」と題する記事を掲載した。

 

北朝鮮の非核化に向け米国と北朝鮮を仲裁してきた韓国政府の位置づけが狭まり韓半島(朝鮮半島)運転者論と米朝仲裁の役割が試練にさらされている。金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長が12日に開かれた最高人民会議施政演説で韓国に向け「おせっかいな仲裁者」という表現を使ったのだ」。

(1)  朝鮮中央通信が13日に伝えたところによると、金委員長は『南朝鮮(韓国)当局と手を取り合って北南関係を持続的かつ強固な和解・協力関係に転換させ、平和で共同繁栄する新しい民族史を記していくというのは、私の確固不動の決心』としながらも、『(韓国は)外部勢力依存政策に終止符を打ち、全てを北南関係の改善に服従させなければならない』と強調した。その上で『南朝鮮当局は、おせっかいな『仲裁者』『促進者』の振る舞いをするのではなく、民族の一員として気を確かに持って自分が言うべきことは堂々と言いながら、民族の利益を擁護する当事者にならなければならない。口先ではなく実践の行動でその真心を見せる勇断を下さなければならない』と注文した」

正恩氏は、韓国に対して米国の機嫌取りをしないで、堂々と南北交流事業へ取り組めと発破を掛けている。米朝の間に立っての「仲裁者」や「促進者」でなく、南北の当事者意識で臨めと気合いを掛けているのだ。しかし、文氏は米韓同盟というくびきに縛られているから、その枠をはみ出せない。

 

これまで文氏は、正恩氏の言うような線で動き、米国から拒絶された。米国が疑念を持ったのは、韓国が米国の同盟国なのか、あるいは南北一体論に足を掛けているのかでテストしたと言える。正恩氏の主張のような振る舞いをしたら、米韓同盟は破綻する。文氏は危ない橋を渡ってきたものだ。その代償が「面会時間2分」である。

 

 (2)「金委員長は、特に米国と追加交渉する意志を明らかにし直取引の可能性も示した。彼は演説で「私とトランプ大統領との個人的関係は両国間の関係のように敵対的ではなく、われわれは相変わらず立派な関係を維持しており、思いつけば何時でも互いに安否を問う手紙もやり取りすることができる」と話した。韓国の仲裁がなくても米国と対話が可能だという話だ」

正恩氏は、トランプ氏との個人的な関係の強さを強調している。文大統領仲介は要らないとい言わんばかりである。これまで、文氏は「北の報道官」と揶揄されるほど尽くしてきた。何の成果も得られなかったわけで、「経済音痴」だけでなく「外交音痴」ぶりを見せる結果となった。これから、文氏はどう動くのか。支持率は確実に下がる。