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韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は15日、韓国大統領府(青瓦台)の首席・補佐官会議で、事実上合意なく終わった先週の韓米首脳会談について、さも成果があったように発言したという。また、文大統領は「今回の米韓会談は米朝対話をよみがえらせる同盟間の戦略対話だった」とか、「首脳間のトップダウン方式が必須という認識で一致した」とも語ったという。

 

だが、前記の話は、米韓首脳会談の後に韓国大統領府も米国ホワイトハウスも発表していない内容だ。米国側は、文大統領に言質を与えないように、首脳会談そのものの時間を短くする工夫をしたことが分ってきた。本欄でも繰り返し取り上げてきたように、ホワイトハウスは文氏との会談そのものを回避したかった。理由は、文氏が一方的に南北交流事業を持ちかけ、米国が断ることによる米韓不一致を見せたくなかったからだ。

 

文氏は、こういう米国の姿勢が最初から分らなかった。韓国大統領府の外交スタッフが、事前に米国と打ち合わせしていたときも断られていたのだ。それが、正確に文氏へ報告されず、今回の「2分間会談」という大失態を招いた。

 


『朝鮮日報』(4月16日付け)は、「韓米首脳会談、『2分会談』の意味、ホワイトハウス元高官が解説」と題する記事を掲載した。

 

米ホワイトハウスの元高官が、「相手国の首脳が到底受け入れられない要求をしてくることが明らかならば、(ホワイトハウスは)首脳同士の11会談の時間を制限する」と語った。先日の文在寅(ムン・ジェイン)大統領とドナルド・トランプ米大統領の韓米首脳会談で11会談の時間が2分間しかなかったのは、米国が意図的に避けた可能性があるということだ。

 

(1)「米国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長などを務めたデニス・ワイルダー氏が、13日(現地時間)に放送された米政府系放送『ボイス・オブ・アメリカ(VOA)』の対談番組に出演し、『文大統領とトランプ大統領の11会談時間はたった2分間だったが、どのように解釈できるか』という司会者の質問を受けて、『実は我々は首脳間の11会談の時間を制限し、多くの場合プラスの効果を収めている』と述べた上で語った言葉だ。11日にホワイトハウスで行われた韓米首脳会談は29分間行われたが、両首脳の冒頭発言とトランプ大統領の記者会見がほとんどで、2人が11で話した時間は2分間しかなかった」

 

首脳会談を短くすることは、米側にとってプラスになる計算があるという。

    「米、相手が受け入れがたい要求しそうな時は時間制限」

    「文大統領が嫌なこと言われないで済むように配慮した面も」

 

要するに、米国にとって不都合なことを聞かされたり、また、言ったりしないで済むというメリットがあるというのだ。この点で、安倍―トランプ会談は対極にある。トランプ氏は,安倍氏を長時間持てなして、良質な情報を交換して共通認識にしているのだろう。

 

(2)「ワイルダー氏は、『米国が文大統領に11会談の時間を多く与えてなかったとしたら、それは文大統領がトランプ大統領に対して催促する機会を与えたくなかったという意味だ。米国大統領が韓国大統領と11で会った場で、難しいことを(韓国側に)言わせたくなかったということだ』と言った。また、『見方を変えれば、米国が文大統領を守ったとも言える。非公開の状況でトランプ大統領に言われたくないことを言われないように配慮してくれたものだ。非公開で(話を)しても、一度出た言葉はどんな形であれ外に漏れてしまうものだ』とも言った」

 

ワイルダー氏は2005年から09年までNSCアジア上級部長を務め、09年から15年までは国家情報局(DNI)所属で、全世界から寄せられる情報を集めて大統領に毎日報告する「大統領ブリーフィング」編集者となり、ホワイトハウスの事情に精通している。また、15年から16年までは米中央情報局(CIA)東アジア太平洋副局長補を務めた。このようなワイルダー氏の経歴から見ても、ホワイトハウスの事情に精通していることが分かる。

 

文大統領は、ホワイトハウスにとって「招かざる客」であった。首脳会談に首脳夫妻が出席することは、先ずないことだ。米韓首脳会談では、米国側の提案で夫妻が出席した。これで1対1による会話時間をより少なくしたい、米側の「策略」であったのだ。文氏はここまで嫌われていたのだ。