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中国外務省の耿爽副報道局長は6日の記者会見で、米中両政府が8日からワシントンで予定する閣僚級の貿易協議について、「中国の交渉団は米国を訪れて閣僚級協議をする準備をしている」と語った。『日本経済新聞 電子版』(5月6日付け)が伝えた。株価急落が、協議続行方針を決めたものと見られる。

 

この問題は、すでにブログで報じたが、経緯を要約すると、次の通りである。

 

米国トランプ大統領による「10日から2000億ドルの関税25%引上」発言が、上海株価を急襲。6日の上海総合指数は大幅に反落した。終値は前営業日の4月30日に比べて171ポイント安の2906と、あっさり関門の3000ポイントを割り込んだ。2月22日以来の安値を付けた。

 

中国は、これまで米国に脅される形でいかなる協議にも応じないと発言し、米国をけん制してきた。中国共産党機関紙『人民日報』傘下の有力国際情報紙『環球時報』の編集主幹はツイッター上で、『劉副首相が今週訪米する可能性は非常に低い」』との見方を示した(『ロイター』5月6日付け)。米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』(WSJ)は関係筋の話として5日、トランプ大統領のコメントを受けて中国が今週の協議を取りやめることを検討していると報じた。

 


このように、中国政府はメンツにかけても「協議中止」に出るものと予想された。だが、株価急落という実損を被っていることから、メンツを捨てて実利である「協議続行」の道を選んだもの。その背景は、「2000億ドルの商品関税率25%引上」が、中国経済に致命的打撃を与えることを恐れた。習近平氏の権威はボロボロに打ち砕かれている。もはや、中国経済の帰趨は、トランプの掌中に握られた形だ。