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ウォン相場が急落している。5月13日の終値は、1ドル=1187.5ウォンと10.5ウォン安に終わった。1200ウォン割れは目前である。円は最近、安全通貨として買われている。ウォンの場合は、全く逆で売り込まれているのだ。こうなると、韓国側は妙な意地を張らず、日韓通貨スワップ協定を継続しておけば良かったと悔いているだろう。日本の有難みが分る環境に近づいている。

 

ウォン売りの続いている理由は、韓国経済の先行きに不安要因が出てきたからだ。この1~3月期のGDPは、前期比マイナス0.3%(年率マイナス1.2%)であった。韓国の潜在成長率は2.9%程度と見られるので、大変な落込みである。経済無策を証明した。

 

問題は、4~6月期のGDP成長率である。米中貿易摩擦は、米国が中国輸出に対して、「2000億ドル25%関税」を科すと発表済みである。韓国の対中国輸出比率は、4分の1を占めているので、韓国輸出の落込みは不可避である。頼みの内需は、相変わらず不振であることから、4~6月期のGDPもマイナス基調が続く気配が濃くなろう。

 

このように、2四半期連続でマイナス成長に落込めば、米国流の景気判断では「景気後退」という結論が下る。韓国の米国資本は、撤退する十分な理由ができる。もっとも、資本の動きは速い。2四半期のマイナス成長が濃厚になれば、「見切り発車」で本格的なウォン売りが始まるであろう。

 

現局面は、その「助走開始」とも受け取れる。ウォン売りの仕掛けが始まったと見るべきだろう。私は、経済無策の韓国政府ゆえに、「ウォン投機売り」を始めやすい状況に映る。これが現実となれば、文政権はまた大きな荷物を背負わされた感じになる。

 


『韓国経済新聞』(5月13日付け)は、「ウォンが連日急落、なぜ韓国だけ際立つのか」と題する記事を掲載した。

 

(1)「ウォン相場がむなしく急落している。先月初め1ドル=1130ウォン台序盤水準だったウォンの対ドル相場は1カ月で50ウォン以上のウォン安ドル高となる1ドル=1180ウォンに達した。10日には取引時間中に1182.90ウォンまでドル高が進んだ。2017年1月17日以降2年4カ月来のウォン安水準だ。最近の上昇幅だけ見ると経済危機に直面したアルゼンチンなどと同水準だ」

 

ウォン相場は昨年7月からの9カ月間にわたり1115~1135ウォン水準のボックス相場を守り横ばいだった。それが今、180度も姿を変えてきた。ウォン相場は5月9日に1179.80ウォンまで進み、年初来の安値を記録した。4月以降の下落率は4.06%だ。

 

韓国より対ドル相場の下落幅が大きい国は、深刻な高物価と経済難に苦しめられるトルコ、アルゼンチン程度にすぎない。これから見て、ウォン相場の先行きに対して、かなり厳しい見方があることを物語っている。それだけに十分、警戒すべきである。

 

具体的なウォン売り材料は、先に私の挙げた4~6月期のマイナス成長懸念である。韓国政府は、2年連続で最低賃金の大幅引上げを行い、これが高失業率をもたらし、内需は「完全冷却化」状態である。これに長期の輸出停滞が加わったら、韓国経済に身震いするほどの結末が待っている。3回目の通貨危機の到来だ。現状では、これを完全否定できない脆弱性を抱えている。韓国経済が警戒水域に入っていることは疑いない。