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北朝鮮は、韓国を属国扱いするような振る舞いを続けている。これは、文在寅氏が金正恩氏へ「言質」を与えて弱味を握られているのでなかろうか。そうでなければ、ここまで増長した態度を取れるはずがない。

 

文氏は、本質的に北朝鮮へ憧れている。両親の出身地であること。学生運動経験者は、北朝鮮の「チュチェ思想」の共鳴者であることから、文氏には北が聖地にみえること。こういう話を過去2回の南北首脳会談で話しているはずだ。正恩氏はこれを聞いて、韓国へ何をやってもいいと錯覚しているのでないか。

 

人間誰でも、相手と親しくなろうと思えば何でも話すものである。正恩氏は、文氏に自分の結婚にいたる話までしている以上、文氏も自らの若い時代からの話をしたであろう。今になって見れば、これが仇になっている。与しやすいと見られ舐められているのだ。

 

『朝鮮日報』(5月13日付け)は、「ミサイルを発射しておきながら韓国に演習中止を求める北朝鮮」と題する社説を掲載した。

 

(1)「北朝鮮は国営メディアを通じ、『(韓国による)外勢との合同軍事演習はもちろん、単独の軍事訓練も恒久的平和を渇望する民族の志向に対する挑戦だ』『戦略資産をはじめとする戦争装備の搬入も完全に中止すべきだ」』などと主張している。北朝鮮によるこれらの主張は、新型弾道ミサイルを立て続けに発射し緊張が高まった状態で報じられた。北朝鮮が発射したイスカンデル・弾道ミサイルは軌道が複雑で、落下の際には方向も調整できるため迎撃が非常に難しい。そのためこのミサイルは韓国軍の核ミサイル防衛能力を無力化するほどの脅威になっている。海外の識者の多くは『明らかに韓国を狙ったもの』と指摘する」

 

北朝鮮のミサイル発射は、韓国を威嚇する目的であることがハッキリしてきた。正恩氏は、南北首脳会談を2回も開き、さも新時代到来のような演出をしながらこの始末である。文氏は完全に騙されたのだ。

 

(2)「昨年シンガポールで行われた1回目の米朝首脳会談以降、韓米合同軍事演習は次々と中断あるいは縮小されており、防衛に続いて行われる反撃のための訓練に至っては完全にやらなくなった。かつて在韓米軍の司令官だった人物が『心配だ』と公に語るほどだ。ところが北朝鮮外務省報道官は韓国の軍事訓練を『戦争演習』などと非難し、自分たちのミサイル発射は『防衛のための訓練』と主張している」

 

文氏の「お人好し」が浮かび上がってくる。30代の若者が、60代の先輩政治家を手玉に取って、振り回している構図だ。文氏は、国内で反対派を虐めているように、正恩氏に強い対応はできないのか。これを称して、「内弁慶」という。

 


(3)「北朝鮮の宣伝メディアは、韓国政府による食糧支援の方針について、『空虚な言葉と恩着せがましい行為』『みっともない物々取引』などと侮辱し、『北南宣言履行という根本的な問題を先に解決せよ』と主張した。『南北間の本格的な経済協力を実現するため、北朝鮮に対する制裁を早く解除せよ』と言いたいのだろう。米国を説得できないのなら、これ以上外勢に引きずられず、韓半島(朝鮮半島)問題の当事者として開城工業団地や金剛山観光でも先に再開せよと圧力をかけているのだ」

 

北朝鮮の宣伝メディアが、食糧支援は要らないような話をしているならば、韓国は送る必要はない。今の状況では、そういう反応をしてみることだ。韓国国民は、この動きを知っているだけに、文政権への疑念を深めるだけであろう。人間、怒るべき局面では怒るべきだ。

 

(4)「北朝鮮は国際機関に140万トンの緊急食料支援を要請しており、世界食糧計画(WFP)による現地調査も受け入れた。ところが北朝鮮は韓国からの食糧支援の申し出には批判を続けている。これは韓国政府が最初から北朝鮮に食糧を支援したがっているので、何を言っても最後は食料を支援すると考えているからだ。自分たちは武力挑発をしながら相手の防衛訓練には文句を言い、善意の食糧支援に対しては感謝どころか別のものまで差し出せと言っている。北朝鮮の盗っ人たけだけしい態度は相変わらず際限がない」

 

北朝鮮の高圧的な態度の下で、食糧支援をしても感謝の一言もあるまい。それは、韓国国民への侮辱である。文政権が狙ってきた、南北交流による「人気挽回策」は完全に失敗したと言えよう。北朝鮮は、「恫喝」しかできない国であり、正攻法の政策が通用する相手ではない。ここは、米国と共同歩調で対北朝鮮政策を練ることだ。