テイカカズラ
   

韓国の新聞を読んでありがたいことは、日本の各紙が報じる目玉記事がまとめられていることです。日本の新聞すべてに目を通すことは不可能ですが、韓国紙は大事な日本の記事を拾い上げて報じてくれます。

 

この余禄に預かったのが、皇室で13日、亀の甲羅を焼いて占いをする「亀卜(きぼく)」という儀式が行われたというニュースでした。私もこの概略はニュースで知っていましたが、「亀卜(きぼく)」なるものはどのように執り行われるか詳細を『朝鮮日報』(5月15日付け)が、報じていました。

 

「亀卜」は中国の殷(いん:前16世紀~前1023年)の時代に始り、奈良時代に日本へ伝わった「占い」です。この想像を絶するほどの過去から伝わる神事が、日本の皇室で「行事」として行なわれていることに、私は感動を禁じ得ませんでした。3千数百年の時空を超えて現在まで続いていることに、ただただ驚くほかないのです。

 


ここまでは、議論すべきことでないのです。問題は、国費でこの行事にかかる費用を負担するのは憲法違反でないか。そういう議論があるそうです。

 

これについて、考えて見ました。「亀卜」が皇室の神事として執り行われていますが、実態は「節句」のようなものと見なせば「文化」の範疇に入るでしょう。「亀卜」が、皇室の中だけの行事としても、人類全体にかかわる「遺産」でもあります。4000年近い太古の行事が、今も連綿として日本の皇室で守られていると見られないでしょうか。

 

皇室の生活費に当る「内廷費」で支出するのは、「亀卜」が私的な秘法という狭い解釈に押し込まれます。堂々と国費で続けることが「文化遺産」としての意義があると思います。いかがでしょうか。

 

『朝鮮日報』(5月15日付け)は、次のように伝えています。

 

「日本の宮内庁は昨年、アオウミガメが主に繁殖している日本の南端の島・小笠原で8匹のカメの甲羅を確保した。これを東京都内にあるべっ甲細工「伊勢屋」の六代目・森田孝雄さんに任せた。森田さんは宮内庁の要望に応じて亀の甲羅を厚さ1.5ミリメートルという薄さにまで削った後、縦24センチメートル・横15センチメートルに加工し、儀式に使う用品10点を納品した。宮中の儀式を担当する宮内庁職員はこの日、古代の黒い装束に身を包んで、加工された亀の甲羅を持って斎舎と呼ばれる建物に入り、40分間にわたり米産地を決定するための秘密の儀式を行った。日本のメディアが宮内庁の説明に基づいて伝えたところによると、宮内庁職員らはまず、火打ち石で火を起こし、次に竹の箸(はし)で亀の甲羅を慎重に火にかざす。そして、熱せられた亀の甲羅に水を掛け、ひびの入り方に基づいて米の産地を決定めるとのことだ」