a0960_008729_m
   

米中関係は、完全に「冷戦」状態へ移行した。米国が、ファーウェイ(華為技術)・関連70社に対し米企業からの購入規制対象に加えたからだ。これは、米企業が次世代通信網「5G」でファーウェイに協力させないための措置である。「5G」の基盤技術であるソフトと半導体で、米企業が協力関係にある。

 

『ロイター』(5月15日付け)は、「中国ファーウェイと関連70社、米企業からの購入規制対象に」と題する記事を掲載した。

 

(1)「米商務省は15日、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)と関連70社を『エンティティーリスト』に追加すると発表した。ファーウェイは米政府の許可なく米企業から部品などを購入することが禁止される。米当局者によると、ファーウェイは部品調達を米国のサプライヤーに頼っているため、一部製品を販売することも難しくなるという」

 

米国の中国に対する厳しい「輸出規制」は事実上、朝鮮戦争後(1952年)に中国への輸出規制を課した「チンコム」(1994年廃止)の復活であろう。私は、かねてからこの制度の復活が必要と本欄で指摘してきた。

 


(2)「今回の措置は数日中に実施される。今後ファーウェイが米国の技術を購入するためには、米政府からライセンスを取得することが必要になる。ロス商務長官は声明で『外国企業が米国の安全保障や外交政策上の利益を損ないかねない形で米国の技術を利用することを阻止』する決定をトランプ大統領が支持したと明らかにした」

 

ファーウェイは、米国での製品販売と技術購入を封じられることになった。ファーウェイの組織的スパイ行為が摘発されている結果だ。

 

(3)「商務省は今回の決定について、米司法省が開示したファーウェイと一部関連企業に対する起訴状で、同社が禁止された金融サービスをイランに提供しようとしたと指摘されたことを受けたものと説明。ファーウェイが『米国の安全保障や外交政策上の利益に反する活動に関与した』と結論付ける正当な根拠があるとした」

 

ファーウェイは、中国政府と無関係の立場を強調しているが、社員株主制を裏で操っているのが中国政府であると分析されている。本欄で取り上げたテーマである。