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韓国は、ウォン相場の下落と反比例して、日本への評価が高まっている。この理由は、2つあるようだ。

 

その一。ウォン相場急落=通貨危機という切迫感である。日本にSOSを打ち、救援して欲しいという潜在意識。

 

その二。徴用工問題をめぐる日韓関係の悪化である。韓国で日本企業の資産を売却した場合に起こる日本の報復懸念に基づく。仮に、韓国で通貨危機が起こった上に日本の報復を受けたら、韓国経済は立ちゆかなくなる。その恐怖感が、「反日」から一転して「親日風」にさせているのだろう。現金なものだ。

 

『韓国経済新聞』(5月16日付け)は、「『メード・イン・ジャパン』なければ生産困難な製品多い」と題する記事を掲載した。

 

  世界最高の競争力を持つ韓国の半導体、スマートフォン、ディスプレー製造業者は依然として日本の装置と素材、部品メーカーの技術力に依存している。日本企業がなければ「メード・イン・コリア」製品をまともに生産するのが困難なほどだ。

 

(1)「 世界のメモリー半導体業界で1位と2位のサムスン電子とSKハイニックスは半導体工程に使う高純度フッ化水素をステラケミファ、森田化学工業など日本企業からほとんどを輸入する。フッ化水素は半導体製造核心工程であるウエハーの洗浄と蝕刻に使われる。ソルブレーンなど韓国企業がフッ化水素生産に乗り出しているが、歴史が100年を超える日本企業の技術力には追いついていないと評価される」

 

私は長年、韓国の動向を追ってきたが、この記事ほど日本に対してへりくだった内容はない。それだけ、韓国経済が崖っ縁に立たされていることの証明であろう。日本が徴用工問題で報復したならば、フッ化水素の輸入が止められ、韓国の半導体生産が干し上がる事情がよく分かる。韓国政府は、こういう現実を頭に入れて対応すべきだろう。

 


(2)「 スマートフォン用有機ELパネル生産に必須の蒸着装備も日本製が大部分だ。キヤノン子会社のキヤノントッキが世界市場の90%以上を掌握している。大型ガラス基板に薄い膜を均一に形成する技術力を保有しているためだ。機器1台当たりの価格が1000億ウォンを超えるのにサムスンディスプレー、LGディスプレーなど韓国の主要ディスプレーメーカーが装備を購入するため列を作って待つ」

 

スマートフォン用有機ELパネル生産に必須の蒸着装備も日本製が大部分だという。日本は、こういう部品や素材で稼ぐ方向に転換した。これは「B2B」ビジネスといわれる企業間取引を示す。最終製品販売は、「C2B」ビジネスである。価格変動が激しく、安定した利益を得られない欠点がある。ちなみに、B=企業、C=消費者の略字である。

 

(3)「昨年、韓国が日本との貿易で出した赤字は、240億ドルで世界1位だった。輸入半導体装備の34%、高張力鋼板の65%、プラスチックフィルムの43%を日本から輸入した。日本企業に対する過度な技術依存度が韓国看板企業のグローバル競争力を損ねるという懸念も出ている。漢陽大学融合電子工学部のパク・ジェグン教授は『韓国大企業が輸入する装備と素材、部品を国産化するための政府支援が切実だ。それでこそ中小協力会社を含めた産業生態系の競争力を一段階跳躍させられる』と話した」

  
日韓貿易では、韓国の永続的な赤字が続いている。この不均衡是正が韓国の念願であるが、両国の技術格差のもたらす必然的な結果として、韓国は諦め気味である。ノーベル科学賞受賞者数が26対0という圧倒的な違いから、技術格差の短縮は不可能である。草野球並みの得点差である。