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韓国の文在虎政権は、南北交流から南北統一へと一枚看板にしている。だが、統一費用にどれだけかかるかという計算をしているだろうか。これまで、断片的に伝わってきた金額では、日本を拠出有力国に数えている程度であった。

 

ところが、米国のシンクタンクが統一の初期費用だけでざっと1兆ドルもかかるという試算を発表した。日本円に換算すると110兆円にもなる。南北統一を声高に叫んでいる韓国が、主な負担国になるとしても、腰を抜かすほどの巨額費用になることは間違いない。理想的には5兆ドル(550兆円)もの費用が必要という。この金額を聞いただけで、南北統一論は夢に終わるだろう。

 

莫大な統一費用負担から見て、南北交流を何十年も続けることだ。まず、北朝鮮の「稼ぐ力」を付けさせることである。「魚を与えることでなく、釣り道具を与える」という後発国の自立方式を採用することである。その準備期間に何十年もの期間を必要とすることは間違いない。「早期南北統一」といった美辞麗句に酔っていると、関連国はすべて共倒れになろう。

 

韓国政府の統一研究院は、4月に恒例の「統一意識調査2019」を行った。それによると、経済が優先という回答は70.5%で、統一の8.3%より圧倒的に多かった。また「韓国が当面は損をするとしても、北朝鮮が現在の経済的難局を克服できるよう助けてやるべきか」という問いでは、回答者の60%が否定的な回答を行った。

 

1969年に韓国政府が実施した別の調査では、90%が統一を支持と答えていた。2014年には70%近くが統一は必要と回答した。昨年は、58%に低下している。そして、今年は前述のとおり8.3%への低下だ。統一の初期費用が、1兆ドルという天文学的な数字を聞けば、「統一」はもはや夢でしかなくなっている感じが強い。

 


『中央日報』(5月16日付け)は、「米国経済研、韓半島統一費用は1兆ドル」と題する記事を掲載した。

 

 

 (1)「米ワシントンのピーターソン国際経済研究所(PIIE)のマーカス・ノーランド副所長は15日(現地時間)、民間団体カーネギー国際平和基金(CEIP)『韓半島統一と韓米協力』をテーマに開催した討論会で、韓半島の統一に1兆ドルが必要だという見方を示したと、米政府系ラジオのボイス・オブ・アメリカ(VOA)放送が16日伝えた」

 

初期費用1兆ドルのうち、仮に韓国が5000億ドルの負担とする。今後、韓国は少子高齢化が世界一の速度で加速化していく。とうてい負担は不可能である。となると、文政権の「南北統一」の一枚看板政策は、現実性を持たない単なる夢に終わる。文氏は、早く目を覚まして国内政策に回帰すべきだろう。

 

(2)「 ノーランド副所長は1兆ドルのために、『すべての財源を引き込むべき』とし、『ここには世界銀行(WB)・アジア開発銀行(ADB)など国際金融機構の協力が含まれる』と説明した。ただ、『1兆ドルは北朝鮮をひとまず安定させるための初期費用にすぎない』とし、『韓国政府は今から非常に保守的な財政政策をしなければならないだろう』と助言した」

 

先のアンケート調査によれば、「経済」か「統一」かという「二択」に対して、統一賛成は8.3%だ。この事実を考えると、「南北統一」は棚上げし、南北の「緊張緩和」が精一杯であろう。韓国は、これまでの安全保障政策を守るほかない。韓国から在韓米軍を撤退させるという夢話は消えた。韓国は、日米韓という三カ国の安全保障体制に復帰するほかない。文政権は、正気に戻って対日関係を再構築する立場へ戻らざるを得ないのだ。南北統一論は、経済的に実現不可能であり、韓国を自滅させる政策である。