韓国政府は、米国から中国のファーウェイへ製品排除に同調するように求められているので、中国の反発を恐れている。再び、THAAD(超高高度ミサイル網)をめぐる中国の制裁騒動が持ち上がることを危惧しているもの。
韓国政府が恐れることはないのだ。サムスンという「5G」を手がける総合通信機企業が存在する。中国政府が、ファーウェイ製品の購入で圧力をかければ、サムスンで対抗すればすむことである。ともかく、日本から見ればおかしいほど「中国恐怖症」に陥っている。
『朝鮮日報』(5月23日付け)は、「THAAD問題の再現? 反ファーウェイで米中板挟みの韓国」と題する記事を掲載した。
米国政府が韓国政府に「ファーウェイ(華為技術)ボイコット」に参加するよう要求したことから、韓国が米中の「板挟み」になるのではとの懸念が広がっている。韓国政府は米国の要求に対してひとまず、「ファーウェイと韓国の民間企業の間の取引に介入するのは難しい」という原則的な見解を示したが、トランプ政権の勢いからすると、現在の姿勢を維持することができるかどうかは未知数だと見られている。
(1)「米国の「インド・太平洋戦略」に協力する日本やオーストラリアなどが「反ファーウェイ戦線」に参加する中、米国が「同盟国」韓国政府を相手に「味方になれ」と圧力を加える可能性が高いということだ。このほどワシントンを訪問した外交消息筋は「ファーウェイに対する韓国政府の見解や、(ファーウェイ社の通信機器を使っている)LGについて聞く人が多かった。米国側が強固な同盟の尺度をもってこの問題を追求してくる可能性もある」と語った」
米国が、反ファーウェイ対策を打ち出しているのは、2つの側面からだ。ファーウェイ製品を買わないことと、米企業がファーウェイへ製品とソフトを売らないことだ。この後者の規制で、ファーウェイ製品は出荷できない事態になるから、中国がファーウェイ製品を押しつける意味がない。韓国では、この点を誤解している。仮に、ファーウェイ製品を買えと圧力をかけてきたならば、「サムスン製品」で対抗するくらいの気迫を持たないでどうするのだ。
(2)「だからといって米国の要求に応じれば、その後に予想される中国側の反発が無視できなくなる。韓国の中国向け輸出の割合は米国・欧州連合(EU)・日本を合わせた割合よりも多く、韓国経済における中国の依存度はかなりの水準に達している。2017年に韓国は中国に対し1421億ドル(約15兆6700億円)相当を輸出し、輸出全体の24.8%を占めた。外交消息筋は「終末高高度防衛ミサイル(THAAD)配備の報復時、中国は米国の代わりに「弱いつながり」である韓国をたたいた。今回の事案で中国の報復措置はTHAAD配備時よりもはるかに強まる可能性が高い」とした。現代経済研究院は、THAAD報復の影響で2017年の1年間に韓国が受けた直接・間接的被害を最小で8兆5000億ウォン(約7860億円)と推算している」
日本のように、日米同盟の強固さを誇っていれば、中国は付け入る隙がないから諦めている。韓国もフラフラしないで、韓米同盟を高らかに強調することである。ところが、「事大主義」で中国の意向を忖度する動きをしてきたから軽く見られている。この際、腹を決めて対応すべきである。「米韓一体感」を見せれば、政経分離がスムースにいく。
豪州やニュージーランドを見るがいい。対中貿易の依存度は高いが、敢然として米国との同盟関係を重視している。韓国のように利益になると思えば中国に付くような「コウモリ的態度」が、中国から甘く見られる原因をつくっているのだ。中国という国は、相手が甘いと見ればどこまでも付け入る国である。毅然と対応すること。日本・豪州・ニュージーランドの外交姿勢を参考にすべきだ。
コメント
韓国の要請で訪韓するトランプ大統領は、当然のことながら更なるお土産を要求するでしょうね。
教養のある人は表舞台に立たない。その他大勢で、自己顕示欲の強烈な人たち(労組と市民団体)が大声を張り上げるので、煩わしいのでしょう。立派な人はいるはずですが、この人たちは声を挙げないのです。
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