a0005_000154_m
   

中国国家主席の習近平氏が、米国大統領のトランプ氏に対して「友人」と発言しました。これは、トランプ氏が習氏を「私の友人」と呼ぶことへの返礼でしょう。習氏の口からこの「友人」が飛び出たことは何を意味するのか。私は、トランプ氏へのサインと読みました。「休戦しよう」という意味ではないのか、と。

 

先ず、この発言が出てきた状況を見ておきます。

 

「習主席はロシア・サンクトペテルブルクで開かれた経済フォーラムでの演説で、米中両国間は通商と投資において強い関係があると強調。『中国と米国を完全に切り離すことは想像しにくい。中国はそれに関心がないし、米国も関心はない。トランプ大統領は私の友人で、彼も関心はないと確信している』と述べた」(『ロイター』6月7日付け)

 

習氏は、ロシアでの経済フォーラムの前に、プーチン大統領と共同記者会見を行いました。その際、プーチン氏は厳しく米国批判をしました。習氏は米国を名指しせず、一般論で保護主義反対に止めていました。私はこれを見て、習氏にある意図を感じていました。それが、「トランプは友人」になったのでしょう。

 


実は、昨日発行(有料)した私の「メルマガ63号 習近平の徹底抗戦は自滅の道、米国が中国と経済関係遮断を決意」の結論で、次のように記しました。

 

「現代における教訓は、『関税では中国の慣行は変えられないであろう』ということです。しかし、米中を結んでいた貿易や投資、知識の連鎖を断つことで、長期的には米国が中国の影響にさらされにくくなる、という中国にとっては身震いするような冷酷な結論を下しています」。

 

この部分は、習氏の発言とつながっています。習氏は、「中国と米国を完全に切り離すことは想像しにくい。中国はそれに関心がないし、米国も関心はない」と米国の決意を察知して、大慌てで「トランプ友人論」になったと思われます。

 

中国は、井の中の蛙です。中国の国土が広大で14億の人口を抱えているので、中国が世界と錯覚しています。いつの間にか、「中国が世界の中心」と見るようになったのです。これは、秦の始皇帝が、「中国」という国名を付けた時の思いと重なっています。

 

習氏は、トランプ氏に中国4000年の歴史を説明したそうです。トランプ氏に対して、米国が建国(1776年)でまだ240年余に過ぎないこと。それを「軽く見た」のかも知れません。

 

もし、そうだとすれば大間違いです。米国は、古いヨーロッパの悪しき伝統を捨て、良き伝統だけを持ち込み、近代国家概念に接ぎ穂した「ハイブリッド国家」です。まさに、世界最強国家としての歴史条件を備えていることに気付くべきでしょう。日本は、この認識が不十分で無謀にも戦争を挑み、敗退したのです。

 

「アメリカを舐めたらあかんよ」ですね。