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韓国の文在寅政権は、北朝鮮へ腫れ物に触るような対応をしています。南北交流に名を借りた、人気取り政策と見られます。

 

同じ民族の分断は悲劇です。ただ、北朝鮮が「金ファミリー」の独裁政権であることを忘れた韓国の接近は、「金ファミリー」の延命に手助けするようにも見えるのです。

 

文政権には、「金ファミリー」の延命を願っている節が見られます。北朝鮮には、「金ファミリー」の独裁を神格化する「主体(チュチェ)思想」があります。文氏は、学生時代からこの信奉者と指摘されています。文大統領が、北朝鮮へ肩入れをするのは、この「主体思想」がテコになっています。

 

韓国統一研究院は、毎年発行している『北朝鮮人権白書』の2019年版公開が遅れています。白書が、実務者のミスによりウェブサイト上で「サプライズ公開」され、その後こっそり姿を消すハプニングが起きたのです。ここから、韓国政府が「隠蔽したのでないか」と疑惑を呼んでいます。

 

韓国政府にとって、「人権」は一枚看板です。韓国大法院(最高裁判所)が、徴用工問題の判決で、「人権問題に時効はなし」と大見得を切りました。確かにその通りです。ただ、日韓基本条約で解決ずみの問題に、わざわざ「人権問題」を結びつけて判決の正統性を付与する細工をしたのです。「人権」の威光を利用した判決とも言えます。

 

日本政府には、「外交保護権」があることを忘れた判決でありました。日本は、法的に対抗できる手段が保証されているのです。韓国大法院がこれを無視したとすれば、文大統領からの強力なプッシュがあった結果と言わざるを得ません。裁判のプロが忘れていたでは済まされないからです。

 

日韓基本条約で解決した問題を再び俎上に乗せた原動力が、韓国の「人権意識」とすれば、北朝鮮に対しても絶対に譲れないはずでしょう。それが、今年の『北朝鮮人権白書』をウヤムヤにしようとしています。このように便宜的な扱いをされている「人権意識」に対して、韓国大法院は、徴用工判決とバランスを取る意味でも、意思表示しなければならない立場にあります。もっとも、提訴されない限り大法院の意思は判決として示されません。

 

私の言いたい点は、「人権に時効なし」という明言をせっかく打ち出した韓国大法院だから、韓国政府もそれに対応した「人権意識」を持つべきだということです。文大統領は、この判決を金科玉条にして、日本政府との話合いに応じようとしません。

 

第1回の「私のつれづれ日記」で、「何らかの主義主張を言う目的でない」と書きました。この主旨から言えば逸脱しますが、韓国政府のダブルスタンダードぶりに、黙っていられなくなったのです。文政権は、人気取りの度が過ぎる政権に映ります。