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韓国政治は、実質的に労組と市民団体が実権を握った無政府状態に陥っている。文大統領は、海外旅行と北朝鮮問題だけに関心を持つという危険な状態だ。

 

韓国大統領府は、文大統領と個人的につながりがあるだけで、政策立案経験のない「86世代」が秘書官として集まっている。この秘書官の多くが学生運動家上がりで、理屈を言うことには長けているが、緻密は政策立案経験がないだけにチグハグナ結果になっている。この弱点をついて、労組と市民団体がやりたい放題の横暴をきわめている。これを止める者がいないという悪循環に陥っている。

 

『朝鮮日報』(6月11日付)は、「問題解決能力を失った不能、韓国政府」と題する社説を掲載した。

 

反ファーウェイを巡る米中間の対立が深まる中、韓国大統領府が「各企業が個別に対応を」との考えを示した影響で、IT(情報技術)業界をはじめとする企業各社は言葉を失った。ある企業経営者は「経営が立ちゆかなくなる状況なのに、何をどうしろというのか」と怒りをあらわにし、ある経済団体の関係者は「政府が先頭に立って解決すべき問題を民間企業に押し付けている。これが政府のやることか」と政府の対応を非難した。「これが政府か」は今や企業経営者の率直な心境を表現した言葉だ。

 

(1)「米国と同盟関係にありながら経済的には中国との関係が非常に深い韓国としては、どちらか一方の側に立つのは確かに難しい。そのため政府としては対外的にあいまいな立場を取ることが最善と判断したのだろう。しかし国内では話は別だ。問題解決の中心であり責任者となるのは政府しかない。政府はまず産業界と協議し、しっかりと意見を聴きながら今後の戦略とシナリオを取りまとめていかねばならない。その一方で米中両国とは緊密に連絡を取り合いながら、韓国としての立場を説明し、同時に現状を正確に把握すべきだ。今政府はこのような努力に取り組んでいるのだろうか」

 

文政権は、「反企業主義」である。大企業が、米中の間に立って苦悩していても見ぬふりである。政策立案能力の欠如の結果であろう。

 

(2)「市民団体が、『製鉄所の高炉から汚染物質が排出されている』と指摘したことを受け、忠清南道は製鉄各社に『10日間の操業停止』を命じ、他の自治体も同じような動きを示している。高炉は5日以上稼働しなければ鉄が固まるため、復旧に3カ月以上かかってしまう。世界のどこの国でもやっている高炉バルブ開放方式に韓国だけがブレーキをかけているわけだが、環境部(省に相当、以下同じ)や産業通商資源部は傍観するばかりだ。韓国の鉄鋼産業は世界最高の競争力を持つはずだが、これが幾つかの市民団体によって足元をすくわれてしまった。これも政府の無策と無責任が原因だ」

 

市民団体が、製鉄会社に乗り込んで高炉の操業を10日も止めさせる。専門知識のない市民団体が「虎の威を借る狐」の振る舞いだ。労組の横暴と重ねると、「革命が起こった」のかも知れない。


 

(3)「全国民主労働組合総連盟(民労総)や韓国労働組合総連盟(韓国労総)に所属するタワークレーン運転士が小型遠隔操縦クレーンの禁止を求め、現場の違法占拠とストを続けた影響で、2日間にわたり全国の建設現場が動かなくなった。彼らは給与のほかにもさまざまな金を受け取り、月収は1000万ウォン(約92万円)近くになっているという。この労働貴族たちが組合に加入していないクレーン運転士8200人以上、さらに155万人の建設労働者の生活など完全に無視して違法なストを強行したのだ。しかし政府がしたことは組合をなだめてストを一時中断させたことくらいだ。これではいつまたストが再発するか分からないだろう」

 

下線を引いた部分が、文政権黙認で行っている労組の横暴行為である。

 

(4)「韓国における造船産業全体の命運が懸かった現代重工業と大宇造船海洋の合併は、当初は政府が中心となって推進していたが、組合が反対したため大統領も閣僚もたちまちトーンダウンした。現代重工業は組合の妨害で企業内の手続きさえ進んでいないが、政府は誰もこれに対応しようとしない。組合が抗議行動を続ける現場から政府がいなくなってもうずいぶん時間がたったような印象だ。民労総による警察官や民間人への暴行ももはや珍しくもなくなった。これらの現場に国家権力は存在しなくなったのだ」

 

労組が、企業合併で反対すれば、政府は手を引く。明らかに、政府が総選挙での労組支持を見返りにした取引であろう。こういう極端な事態が起こっている中で、不穏な事態を招かないことだけを希望したい。この無秩序社会で、韓国が経済発展できるはずがない。