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中国は、口先では米中貿易戦争で「最後まで戦う」と強気を装っている。本心は全く違い恐れている。ファーウェイの業績に急変が起こっているからだ。

 

中国が最近、頻りと米国務長官のポンペオ氏を名指しで批判している。それは、ポンペオ氏の中国批判が激しく、米国が「冷戦思考」に入ったのでないかと危惧しているからだ。中国が最も恐れるのは、中国経済が米国から切り離される恐怖である。

 

習近平氏は、ロシアで「トランプ氏は友人である。米中の経済関係は相互依存である。お互いにこの関係は切るに切れない深い関係」と発言した。米国へのラブコールである。しかし、米国は、中国を切り離す大方針を立てている。サプライチェーンの再編成がそれだ。

 

『ロイター』(6月14日付)は、「中国、ポンペオ米長官目の敵に、異例の直接非難」と題する記事を掲載した。

 

(1)「中国は、ポンペオ米国務長官が摩擦を激化させている元凶として「目の敵」にしている。通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)から中国の人権問題に至るまでさまざまな同国批判を展開するポンペオ氏は、中国国営メディアから繰り返したたかれているだけでなく、中国外務省さえも個人攻撃するありさまだ。同省の報道官は10日の定例会見でポンペオ氏を名指しして「うそつき」呼ばわりするという、外交慣例に反する異例の振る舞いに及んだ。ポンペオ氏が北極圏における中国の行動に警告を与えたり、習近平国家主席が打ち出した巨大経済圏構想の一帯一路政策には注意すべきだと発言していることも、中国の怒りの源だ」

 

中国外務省の報道官が、ポンペオ氏を「うそつき」呼ばわりしているのは、中国が経済的に相当に追い込まれている証拠だ。私のブログが、詳細に追い詰められている姿を取り上げているのでご理解いただけると思う。ゆとりを失っているから、批判の言葉も厳しくなるのだ。

 

(2)「ある中国政府高官はロイターに、外務省が世界に情報発信する主な舞台としている定例会見でポンペオ氏の個人名を挙げて非難するようなこうした行為は、非常にまれなことを認めた。別の中国政府高官は、同国がポンペオ氏を好まない理由はシンプルで同氏が「冷戦の闘士」だからだと述べた中国政府はしばしば、米国側に「冷戦思考」を捨てるよう呼び掛けている。一方、米国務省のある高官は、ポンペオ氏が名指しで批判されたことについての質問に「われわれは中国共産党の政治宣伝にはコメントしない」と突き放した」

 

中国経済は、建国以来の危機に直面しているはずだ。不動産バブルの後遺症を乗切るだけでも20年はかかるはず。そこへ、米中貿易戦争の勃発である。米国市場を失えば、今後の中国経済はどうやって食っていくのか。そういう根本的なことも考えないで、感情論でワイワイ騒いでいるに過ぎない。幼稚な国家である。

 

米中が、冷戦になれば中国は八方塞がりになる。先進国はすべて門を閉じるのだ。中国が、発展途上国の頭目になっても、相手国に輸出できる購買力があるわけでない。ここは、頭を下げてでも米国と融和せざるを得ない局面だ。米国は、この中国の弱点はすべて知り尽くしている。

 


『ロイター』(6月17日付)は、「ファーウェイ業績見通し下方修正、米制裁が予想以上に打撃」と題する記事を掲載した。

 

(3)「中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の任正非最高経営責任者(CEO)は17日、米国による制裁が予想以上に効いていると認めた上で、今年と来年の売上高見通しを約1000億ドルに下方修正した。これまでは今年の売上高が1250億ー1300億ドルと約20%増加すると見込んでおり、米制裁による売り上げへの影響が300億ドル相当に達すると判断した。昨年の実績は19.5%増の約1040億ドル(7212億元)だった」

 

(4)「任氏は深センにある華為の本社で、米テクノロジー専門家のジョージ・ギルダー氏とニコラス・ネグロポンテ氏と共にイベントに出席。「米制裁がこれほど多岐にわたり打撃になるとは想定していなかった」とした上で「部品供給を受けることもできなければ、多数の国際機関にも参加できず、数多くの大学の協力も得られない。米国製部品を一切使うことができず、米国製部品を使う通信網とも関係を築けない」と語った」

 

下線を付した部分が、本音であろう。まさに「完敗」である。任氏はこれまで、米国を茶化して小馬鹿にしてきた。ところが、米国の輸出禁止措置に出会って、手も足も出ない事態に追い込まれたのだ。これこそ、中国経済の苦悩である。