a1180_009383_m
   


中国政府が、賞賛して止まなかった自転車シェアリングは、過当競争で混乱が続いている。大手の「ofo」は、昨年12月に経営危機が表面化して以来、利用者の解約申し込みが殺到し、未だに保証金の返還も滞り、事実上の倒産状態だ。

 

中国政府が、なぜこういう安易なビジネスを「現代中国の発明」とまで褒めあげたのか。中国人特有の「刹那ビジネス」の一つである。ほかにも、「P2P」(ピア・ツー・ピア)というインターネット仲介の資金貸借ビジネスも失敗した。資金持ち逃げによって資金提供者が自殺するなど、経済倫理欠如の中国の限界を露呈した。「信用ビジネス」は、基盤である中国社会が「信用脆弱」のため成立不可能である。

 

『大紀元』(6月19日付)は、「中国ofo40億円代金未払い、820万人への保証金返還滞る」と題する記事を掲載した。

 

中国のシェア自転車大手ofoは、自転車メーカーに対して25000万元(約40億円)の代金を支払っておらず、利用者820万人以上への保証金も返していないことが分かった。

 

(1)「中国紙『中国証券報』など複数のメディアは17日、天津市高級人民法院(地裁)が発表した裁判文書を引用し、自転車メーカーの天津富士達電動車有限公司が、ofoの運営会社である東峡大通(北京)管理諮詢有限公司(以下、東峡大通)に対して、代金約25000万元の支払いを求めていると報道した。地裁は、東峡大通は支払いに充てる「資産をもう保有していない」とした。同社は、不動産や土地使用権、対外投資、車両を持っていないうえ、銀行口座にある資金はすでに地裁に凍結されたという

 

下線を引いた状態では、事実上の倒産であろう。

 


(2)「報道によると、北京、上海、厦門、杭州など各地で、東峡大通に代金支払いを求める訴訟が起こった。上海市高級人民法院(地裁)は、東峡大通の法定代表人、陳正江氏の出国を禁止した。ofo創業者の戴威氏などの上級幹部は、地裁の「失信被執行人(信用喪失被執行人)」リストに追加された。信用喪失被執行人に指定されると、航空券や高速鉄道の乗車券を購入できず、クレジットカードの使用や高級ホテルでの宿泊、銀行融資、住宅購入などができなくなる

 

「信用喪失被執行人」とは、航空機や高速鉄道の利用もできないという厳しいもの。人権侵害になる。日本では、自己破産で本人が申し立てる制度だが、中国では一方的に宣告される「生きる死者」のような存在だ。

 

(3)「ofoの利用者への保証金返金も滞っている。保証金返還を求める利用者は順番待ちで、返金を待っている状態だ。ある利用者は中国メディアに対して、現在、自身は8202695番目に並んでいると話した。一部の中国メディアによると、保証金返還を求める利用者は1500万人いる。保証金が1人当たり199元(約3184円)(新規利用者)で計算すると、保証金規模が約30億元(約480億円)に達する。ネットユーザーは「監督管理部門は何をしているのか」「ネズミ講だね。利用者が皆詐欺に遭った」「2.5億元の資金を回収できないのに、なぜ地裁は何もしないのか」と非難した」

 

保証金規模が、約480億円にも達するという。被害者数は、1500万人にも達する。行政機関が、早く実態を把握していれば、ここまで被害が拡大することもなかっただろう。ただ、政府の推奨ビジネスになった手前、手遅れになった面は否定できない。