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シンガポール首相が、TPP(環太平洋経済連携協定)加盟国拡大策として、将来は中国を加盟させるべきだと語った。

 

TPPは、もともと中国が加盟できないように、米国が加盟条件を厳しくした。経済の自由化を極限まで求め、国有企業の比重をギリギリまで下げるなど、「米国型経済システム化」されている。ここへ、現在の国有企業の比重が高い中国が加盟することは不可能である。中国に異変でも起こって、市場経済化=民主化という政治と経済の革命が起こらなければ無理なことだ。シンガポール首相は、中国でそれが起こるとでも見ているのか。興味は、先ずそちらへ向くのだ。

 

『日本経済新聞 電子版』(6月24日付)は、「シンガポール首相、TPP拡大に期待、『中国も歓迎』」と題する記事を掲載した。

 

シンガポールのリー・シェンロン首相は24日、米国を除く11カ国の環太平洋経済連携協定(TPP)について「韓国やタイ、英国が参加への関心を表明していることは喜ばしい」と参加国の早期拡大に期待を示した。中国の将来的な参加も「歓迎する」と明言した。米中の貿易摩擦の長期化は「供給網の分断など数十年間続く世界経済の構造問題になり、金融危機以上の深刻な問題になりうる」と両国に早期の歩み寄りを促した。

 

(1)「首相官邸で24日、日本経済新聞の単独会見に応じた。リー氏はTPPへの参加を検討する韓国、タイ、英国に関して「英国の欧州連合(EU)からの離脱問題など今は3カ国それぞれ優先課題を抱えているが、3カ国の準備が整い次第、11カ国は参加の是非を判断する必要がある」との認識を示した。参加国の拡大の判断には「申請国が世界のどの地域を代表しているかが重要だ」と述べるとともに「韓国はアジア経済で重要な位置を占め、タイも経済小国ではない」と指摘した。これは両国の参加に賛同する意向をにじませたものだ。中国の参加についてもTPPの水準を満たすのに時間はかかるだろうが、シンガポールは中国の参加を歓迎する立場だ」と話した」

 

下線をつけたように、リー首相は中国がTPPへ加盟できる政治状況になるには相当な時間がかかると見ている。となれば、中国への「リップサービス」とも言える。現在の統制経済が破綻して、見る影もない状態まで落込み、共産党独裁が崩れるという前提が実現する。そういうことなしに、TPP加盟問題は出てこないはずだ。

 

現状は、中国が世界覇権を握ると息巻くほど、現実感覚において狂った状況にある。これが、正常化して、「悪い夢にうなされていた」との自覚が出てからの話だろう。

 

 

(2)「米中の貿易摩擦の現状については、「電気や精密機械など輸出産業を中心にシンガポール経済に既に影響を与え、心配している」と述べた。2829日に大阪で開く20カ国・地域首脳会議(G20サミット)にあわせて開催予定のトランプ米大統領と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席の会談にも触れ「解決の出発点になることを望むが、大阪で問題が解決するとは思っていない」と指摘した。

 

米中貿易協定が結ばれても、それで一件落着ではない。中国は協定違反をやって、米国が制裁する。それに中国が反発して、「協定離脱だ」などという騒ぎは、中国経済の「落命」まで続くだろう。その過程で、共産党支配が揺れて、ベトナム型の共産党支配まで後退するのかだ。中国のTPP加盟が実現するときは、中国の政治と経済が末期的状態まで行き着かねば、実現するはずがない。