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1950年6月25日、北朝鮮軍が38度線を突破して韓国へ侵略した日である。あの日の衝撃は世界を震撼とさせ、第3次世界大戦の始りかという恐怖感に襲われた。

 

最大の被害国は韓国であるが、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」面も濃厚だ。韓国の文政権は、侵略当事国の北朝鮮へ異常なまでの気配りをする、逆立ちした関係を演じている。北朝鮮の「主体(チュチェ)思想」に染まっている韓国大統領府による、いかんともし難い倒錯現象である。

 

この韓国が、中国ファーウェイ問題で揺れている。米国政府が、安全保障リスクを理由にして、ファーウェイへのソフトと技術の輸出を禁じた問題が、韓国へ飛び火しているからだ。米国によれば、ファーウェイの「5G」にはバックドアを仕掛けており、中国が機密情報を抜き取り悪用する危険性が指摘されている。

 

発端は、豪州政府のハッカーチームが検出したものだ。米豪が中心になって、世界の機密情報共有国「ファイブアイズ」(米・英・豪・カナダ・ニュージーランド)の情報当局が確認した。韓国情報では、この「ファイブアイズ」に日本も正式加盟したという。

 

これだけ、ファーウェイの5Gの危険性が指摘されているにもかかわらず、韓国は「のらりくらり」している。中国が、輸出依存度1位であることを理由にしている。だが、豪州やニュージーランドも輸出での中国依存度は高い。それでも、安全保障リスクの回避に代えがたい措置として、ファーウェイの「5G」を阻止している。韓国の甘さは、「事大主義」に尽きる。

 

韓国には、ファーウェイに代われるサムスンが存在している。米国では、ASEANの「5G」でサムスンを推奨しているほど。この重要なビジネスチャンスを忘れて、韓国大統領府は右往左往している。「親中朝・反日米」の歪んだ思想が生んだ「誤診」である。

 


『中央日報』(6月25日付)は、「米中対立の中での韓国の生存法」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙のナム・ジョンホ論説委員である。

 

ファーウェイ(華為技術)紛争で米中双方から圧力を受けている韓国。まさにクジラの争いの中で打撃を受けるエビの姿だ。ファーウェイの製品を絶対に使用するなという米国と、使用禁止にすればただでは置かないという中国の間に挟まれ、どうすることもできない。

 

(1)「韓国にとって米国は同盟国であり、中国は最大の市場だ。どちらも簡単にあきらめることはできない。ではどうすればよいのか。短期的にはこれという解決策はない。ただ、状況を眺めながら対応するのが答えだ。ファーウェイの場合、米国が全世界に圧力を加えているが、参加国は4、5カ国にすぎない。日本、オーストラリア、ニュージーランド、カナダほどだ。アフリカや東南アジアはもちろん、ドイツやイタリアなど欧州の国も「確実な証拠がない」としてファーウェイ禁止を拒否した。米国の伝統的友邦の英国さえも論争中だ。したがって韓国も他国の事例を挙げながら「ファーウェイが機密を盗んだという証拠が出てくれば使用を禁止する」と約束するレベルで済ませるのはどうだろうか」

 

米国のファーウェイ禁止の呼びかけに、同盟国でも即答しない 理由は、コストの問題である。「4G」までファーウェイ機器に委ねているので、それをすべて他社品に置換えるとコストが6割高程度になるという。また、「ファーウェイが機密を盗んだという証拠が出てくれば使用を禁止する」という提案も欧州で出ている。米国は、これに対して「証拠が出たときは遅い」と反論している。

 

ファーウェイの「5G」ソフトは、すべてファーウェイが変更する権利を持っている。導入時と違った「情報抜き取りソフト」に変えられれば、導入国は対応不可能である。強盗に玄関のカギを預けておくようなものなのだ。米国は、同盟国でファーウェイ「5G」導入を主張しているドイツに対し、「最高機密情報」を教えないと通告した。ドイツは過去、米国からテロ活動に関する重要情報を得て、未然に防いだケースがある。加盟国は、導入コストばかり主張しないで、トータルの安全コストに目を向けるべきであろう。

(2)「韓米同盟も立て直す必要があるのは同じだ。ファーウェイを使用すれば軍事情報を共有しないと米国が脅迫するのは決して健全な同盟関係ではない。国力の差が大きい非対称的な関係では力が強い国が弱い同盟国に無理な要求をしたりする。弱い国は同盟から捨てられるのを恐れて無理な要求も聞き入れるしかない」

 

同盟は、対等の条件であるべきだ。相手国の庇護に預かってはならない。韓国はなぜ、ファーウェイにこだわるのか。自国には、サムスンが代替企業として存在している。サムスンよりもファーウェイを大切にしたい信条は、経済面での影響を懸念しているに違いない。

 

だが、ここで米国の意向をくみ入れれば、名実ともに米韓同盟強化を実現できるのだ。中国経済は、もはや昔日の力はなくなっている。これは、私の長年の分析結果によるものだ。不動産バブルが崩壊した中国の辿る道は、「第二の日本」である。さらに中国は、米中貿易戦争で米国のサプライチェーンから切り離されようとしている。この危機的な現実を見つめるべきだろう。中央日報論説委員として、迫り来る世界情勢の激変を把握することだ。