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韓国の自動車業界といえば、代表的な労働貴族である。その中で、ルノーサムスン労組が初の温厚路線に戻る方針を決めて発表した。

 

ルノーサムスンは、2000年に経営蹉跌した三星自動車が前身である。これまで、労組はストを控えてきたものの、現在の労組幹部が選ばれてから強硬姿勢を取るようになった。だが、組合員はかつての経営破綻の経験が身に沁みている。労組幹部のストライキ指示を拒否し、スト中に工場が稼働するチグハグな事態に陥っていた。こうした労組内部の足並みの乱れもあり、労使が協調するという韓国では珍しい事例が出てきた。

 

『中央日報』(6月25日付)は、「ルノーサムスン労使、『ノーワークノーペイの原則』盛り込んだ宣言文発表」と題する記事を掲載した。

 

ルノーサムスン労使は24日に釜山(プサン)工場で今年の賃金団体交渉調印式を開いた。この席で模範的労使関係構築を約束する労使共生宣言式もともに行われた。ルノーサムスンのドミニク・シニョラ社長とパク・ジョンギュ労働組合委員長をはじめとする労使関係者、呉巨敦(オ・ゴドン)釜山市長、崔基棟(チェ・ギドン)釜山雇用庁長など政府関係者が出席した。

(1)「この日の行事ではルノーサムスン労使が今後協力するという確約が盛り込まれた「労使共生共同宣言文」が発表された。労使が法と原則を順守し、和合を通じて雇用安定を成し遂げるというのが主要内容だ。 宣言文には特に労使が「ノーワークノーペイの原則」を順守するという内容も盛り込まれ目を引いた。こうした原則を労使合意文に明示して守ると宣言したのは異例だ」

 

 ノーワークノーペイの原則は、スト期間に対し会社が労働者に賃金を支払わない原則を意味する。 自動車業界では、こうした原則が守られないケースもあった。スト終了後、会社側が「激励金」名目で賃金や手当ての一部を補填する慣行が存在したためだ。


経営側の甘さも、労組を暴走させた背景でもある。労使が、ストの原則を守らない「馴れ合い」は、健全な労使関係を築く上でマイナスである。これが広く認識されれば、韓国の過激なストライキも姿を消すことになろう。



(2)「ルノーサムスン労使宣言文が、ノーワークノーペイの原則を明示したのもこうした慣行をなくすという意志とみられる。これに先立ち今回の賃金交渉過程で交渉妥結激励金80万ウォンの支給決定に対する批判が提起されたりもした。 ルノーサムスン関係者は「労使がともにノーワークノーペイの原則を守って行くという意志を込めるため宣言文にこれを直接明示した。今回1人当たり最大80万ウォンの激励金を支給したのも、今後ノーワークノーペイの原則を明確に守るという条件があった」と説明した」

労使が、ストライキの原則を確認し合ったことは、きわめて有意義なことである。労組は、ストをやれば賃金カットを受けるデメリットを考えなければならない。これで、むやみにストをする訳にはいかなくなり、ブレーキがかかるはずだ。韓国の労使正常化には、こういう原則の再確認から始める必要があろう。