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韓国は、政治家子弟の就職問題が大きな関心を集める国です。李朝の科挙(かきょ:高級官僚試験)の厳しい歴史ゆえに、韓国政界では子弟の就職問題が公の議論になるほど過熱するのでしょう。

 

日本でも、政治家の子弟が多く就職している先は、民放や広告会社が定番になっています。だからと言って、国会で「コネで就職したのだろう」という下種(げす)の勘繰(かんぐ)りはしません。別に、民放や広告会社のステータスが、他の業界よりも格段に高いという認識を持っていないからです。他の業種でも成長株はゴマンとあります。

 

韓国では、文在寅大統領の息子が「コネで入社した」と噂が出ました。大統領選の時に、そういう噂をばらまく人物が現れたのです。最後は噂を蒔いた本人が、謝罪に追い込まれて落着しました。これほど、若者の就職が厳しいことを物語っています。

 

文大統領関連では最近、娘婿が海外で「コネ就職」したという記事が報じられました。これについて大統領府が、個人の問題であるからコメントしないと発表したのです。この話では、大統領府が正しいと思います。

 

就職問題は、採否の基準があるようでないようなものです。本人の「将来性」を判断する訳ですから、AI(人工知能)を使って判断できる問題と違います。人柄、協調性、統括力、指導力など、最大30分程度の面接で分るはずはありません。入社後の社内教育で育てて行くしかないのです。そうなると、どこの会社に入ったから「勝ち組」、落ちたから「負け組」と言えるはずがありません。

 


サラリーマン人生は、マラソンに喩えられます。健康でゴール(定年退職)できればいいのでないか。A社が良くてB社が悪いことではありません。入社した会社の格によるのでなく、最後は個人の問題になると思います。

 

こういう一般論を書いた後で、韓国の就職騒ぎを眺めると、あることに気付かされます。それは、韓国が「終身雇用制」であることです。就職が政治問題化する背景は、入社した会社の格が、人物評価まで変えてしまうという、「終身雇用制」が大きな影響を与えていると思います。

 

労働市場が流動化され、転職が自由になっている日本では、新人で入社したときの会社と、定年退職時の会社が異なる例はザラ。こうなると韓国政界が、親のコネで入社したのでないかと騒ぐのは、労働市場の硬直性を深く関係があるように思います。いかがでしょうか。