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G20大阪サミットに見る写真で、安倍首相を中に挟んで、左にトランプ大統領、右に習国家主席が窮屈そうに座っている構図は、なかなか得がたい歴史の1ページを飾るにちがいない。見方によっては、現代の「呉越同舟」に映る。貴重な一枚になろう。

 

『ブルームバーグ』(6月28日付)は、「中国の習氏、名指し避けつつトランプ氏を執ように口撃-首脳会談前に」と題する記事を掲載した。

 

中国の習近平国家主席は7年に及ぶ在位の中で最も重要な会談の1つに備えている。そのせいか、直接言及しないにしてもトランプ米大統領のことが頭から離れないようだ。トランプ大統領との会談を29日に控えた習主席は、20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に際した他国首脳との会話の中で、トランプ氏を名指しするという挑発的な行為を避けつつ、事あるごとに貿易対立で悪いのは米国だと訴えている。

 

(1)「28日朝のアフリカ諸国首脳との会合では、トランプ氏の政治スローガン「米国第一」を痛烈に批判。「いじめ」には警告を発すると述べた上で、「自らの利益を第一に置き、他者を顧みないような試みはいかなるものも支持を集めることはない」と断じた。さらにデジタル経済について「公正で公平な市場環境」と「世界的なサプライチェーンの完全性と活力」を声高に求めた。文在寅・韓国大統領との27日夜の会談でも、保護主義や中韓関係に対する「外部の」いかなる影響にも反対すると述べた」

 

29日の米中首脳会談を前にして、習氏がその複雑な胸の内を垣間見せるように、不満だらけだが妥協しなければならない。そういう苦衷を訴えているとも読める。仮に、決裂ならば会談を開くはずがない。最低限、「休戦」にするつもりか。その場合、米国の手によって中国のサプライチェーン再編成が促進されるリスクを抱える。どう見ても、中国に勝ち目はない勝負である。

 


(2)「G20での習氏の発言は、中国の全般的な流れに沿う。同国国営メディアは貿易協

議の行き詰まりで米国を非難し、中国の強さを誇示する挑戦的な社説を発表しつつ、トランプ氏や通商担当当局者の名前を挙げることは控えている。中国政府は米国向けレアアース供給の制限を示唆しているものの、具体的な内容には踏み込んでいない」

 

この下線を引いた部分をどう読むかだ。米国を批判しても固有名詞を上げないところが「ミソ」である。となると、妥結せざるをえないか、休戦であろうか。ただ、争点は国務院の条例改正か、法律制定かという形式論である。中国国内向けの「放送」という色彩も濃厚である。

 

(3)「29日の米中首脳会談でどの程度の打開があり得るのか、対立の休戦が可能なのかはいまだ判然としない。関係者によると、この会談を前にした28日には中国の劉鶴副首相と米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表が大阪のホテルで会合を持った」

 

米中の事務方トップが会合を持っているのは、最後まで調整点が残っていることを示唆している。