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韓国大学生の就職は、ますます狭き門になっている。そこへ登場したのが日本企業への就職である。韓国国内では、日本企業が出張して今年の採用活動を開始した。韓国の学生は、語学力を初めとして学力レベルはかなり高いとされる。ただ、日本企業では個人の能力を重視する一方、協調性を重視している。こういう日本企業の雰囲気を理解して貰うことが重要になっている。

 

初任給では、韓国企業の方が上である。それも3~4年経てば韓国企業に追いつくという。そういう待遇面での日韓企業の違いも、事前に十分に周知させる必要があるようだ。韓国の学生は、語学力を生かして海外勤務が多いという。

 

『朝鮮日報』(6月29日付)は、「韓日首脳が8秒間握手した日、韓国の日本企業就職フェアは大盛況」と題する記事を掲載した。

 

(1)「28日午後2時、ソウル市江南区内のコンベンションセンター「COEX」で行われた「Career in Japan日本企業採用博覧会」の会場。控え室は書類審査を通過して面接を待つスーツ姿の求職者たちでいっぱいだった。日本語を専攻したキム・ヘリさん(24)は「韓国国内で人文学系大学・学部卒業生が就職するのは夢のまた夢。就職難が深刻な韓国ではなく、好況で求人難の日本で就職先を探す人が周囲に多い」と語った」

 

最近の傾向では、小学生から日本へ留学させるケースが出始めている。日本語の壁を早くから超えさせて、完全な日本語を習得させようという親心である。日韓と言っても釜山と博多は短距離である。今後、こういう「小学生留学」が増えるのであろうか。

 

(2)「4回目を迎えた今年の「日本企業採用博覧会」(韓国貿易協会主催)には、日本企業42社が約100人を選考するのに対して、志願者だけで約1600人が集まった。競争率は16倍を上回る。韓日関係が最悪の方向に向かっている状況で、仕事を探すため日本に行く若者たちが行列しているのだ。韓国貿易協会だけでなく、大韓貿易振興公社(KOTRA)・釜山市も「日本採用フェア」を開く。「雇用政府」をうたう現政権で過去最悪の青年失業難が続いているため、日本企業にSOSを出しているということだ」

 

文政権が、経済政策の見直しをする気配がゼロである以上、韓国の就職難は今後、さらに拍車がかかりそうだ。韓国の地方自自体では、地元大学生の「日本就職」へ補助金(約30万円)を支給するところまで現れている。それだけ、就職難が深刻であることを示している。

 

(3)「現在の韓日間就職状況は明暗がはっきり分かれている。日本の大学新卒者就職率は98%。卒業見込み者のほとんどが就職可能な完全雇用水準だ。一方、韓国の昨年の大卒者就職率は66.2%。求職者1人当たりに求人が何件あるかを意味する有効求人倍率で、日本は先月1.62倍とし、1970年代以来44年ぶりの高い数値を記録した。だが、韓国は0.57にとどまっている。このような状況で、かなりの求職者が、最近の韓日関係によって「日本での就職」という道すら閉ざされてしまうのではないかと懸念している。採用博覧会で会ったある求職者は、「過度な『歴史問題』論議で韓日関係が壊れ、日本企業すら韓国人の採用を減らすのではないかと心配しているのが正直なところだ」と打ち明けた」

 

日本では、徴用工問題で日本企業の財産が売却された時点で、報復が始まる見通しとされている。韓国人学生の就職ビザを発給するな、という意見を聞く。だが、日本企業の受ける損害も大きくなるので、実現性は低いであろう。