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中国は、「一帯一路」プロジェクトで相手国の財政状況を見極め、無理のない工事を行うと声明したばかりである。その舌の根の乾かない内に、東アフリカのタンザニアで驚くべき搾取的なプロジェクトを押しつけて拒絶されたことが分った。

 

タンザニアは、アフリカ一の高山であるキリマンジャロのある国である。

人口は5731万人(2017年)、

1人当たり名目GDPは1134ドル(2018年)。

名目GDP総額は、578億6200万ドル(2018年)

 

タンザニアの名目GDPは、日本円で6兆3580億円である。中国は、この国へ1兆円の港湾建設計画を持ちかけて拒絶された。支払い能力から見て不可能を承知であることは自明。これまで表明されてきた中国の「債務漬け」の反省は、全くの噓であったことが判明した。中国という国は、絶対に約束を守らない国であることを自ら証明した。

 

『大紀元』(6月29日付)は、「タンザニア大統領、一帯一路1兆円港湾計画を停止、『狂った人にしか受け入れられない条件』」と題する記事を掲載した。

 

東アフリカの国タンザニアは、国の財政状況を理由に、中国共産党主導の1兆円規模の港湾建設計画を中止した。インド洋に面したバガモヨに建設するこの大型新港は、アフリカの物流に関わる一帯一路計画の一つだった。

 

この新港は、習近平中国主席が5年前、タンザニアを訪問した際、同行した中国の大手国有企業グループ・招商局集団の傅育寧会長とムギムワ財務相が合意した計画。中国側は、港湾までの周辺道路のインフラ建設も担当する内容だった。しかし、当時のジャカヤ・キクウェテ大統領が2015年11月に退任後、後任のジョン・マグフリ大統領は同計画を重点プロジェクトから外した。


 

(1)「ジョン・マグフリ大統領はこのほど、現地メディアの取材に対して、同計画を強く非難した。資金調達と引き換えに中国から「搾取的で不合理な」内容を提示され、中国金融機関が「狂った人間にしか受け入れられないような厳しい条件」を設定したという。「中国側は33年の抵当権と99年のリース権を求めてきた。港が稼働後、投資者の選定に私たちは干渉することができない。彼らは、この土地を自分のものにしようとしている。さらに、私たちは港湾の工事費を負担しなければならない」と大統領は述べた」

 

下線部分を読むと、植民地計画である。中国経済事態が困窮しているので、タンザニアを「食い物」にするつもりであったのだろう。

 

(2)「6月中旬、タンザニアの港湾局長は、この中国投資のバガモヨ港に関する報告を行った。それによると、中国側はタンザニア政府に対し、港湾事業の損失や土地税、労働者補償税、技能開発課税、関税、付加価値税を含むいくつかの免税を求めていた。いっぽうで、港湾稼働後の税の計算、監査はすべて中国当局が行う権利があるという。「つまり港湾、貨物、物流を含め、すべてをコントロールすることを可能にする条件だ」と報告書は説明した。タンザニア当局は現在、主要港のダルエスサラーム港の受け入れ貨物を3倍にする拡張工事を行っている。その工事費は5億2200万ドルとされる。大統領は、中国主導の巨大なバガモヨ新港は、この既存港の取引を損なう恐れがあると懸念している」

 

中国は、新港の建設を請け負うだけでなく、港湾運営権まで手に入れるという、これほど厚かましい「一帯一路」プロジェクトがあるだろうか。強盗・追いはぎ同様の手口で、タンザニアの権益を手に入れようというのだ。中国を信じることは、自滅に等しい契約にサインする行為になろう。