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中国は、国権が関わる問題として、土壇場で米中貿易交渉にストップをかけた。この国権とは何か。それは、中国共産党の運命に関わることだ。米国の要求のままに、経済機構を変えることが、中国共産党の権威を損ねるという解釈と思う。となれば、経済的な実利よりも政治的な利益を選択している可能性が大きい。そうとなれば、中国は相当の被害を覚悟した政治的な決定と見るべきだ。

 

『日本経済新聞』(6月30日付)は、「米中休戦、収束見えず、期限曖昧で中国ペース」と題する記事を掲載しました。

 

米中両首脳は29日の会談で貿易協議の再開を決めた。トランプ米大統領は関税第4弾の発動を先送りし、中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)の制裁解除に言及。今後の協議も期限が曖昧で一転して中国ペースの様相を呈しつつある。一時休戦となる貿易戦争が収束する道筋は見えないが、大統領選を控え成果を焦るトランプ氏が譲歩すれば中国の構造改革が中途半端に終わるリスクもある。

 

(1)「2018年12月以来、7カ月ぶりの首脳会談は1時間強。2時間半かけた前回より大幅に短かかった。510日に決裂した閣僚級協議の再開を決めたが、前回会談のように「90日の期限を決めて、技術移転の強要や知財保護など5分野で集中協議する」といった具体的な目標は判明していない」

 

(2)「実際、米中の協議は決裂以来水面下でもほとんど進んでいなかった。そのため、交渉は瀬戸際戦略をとった中国ペースとなった。早期の成果獲得へ短期決戦を挑んでいたトランプ氏は「急いでいない。正しい取引がしたいだけだ」と譲歩。前回12月には「3月に2000億ドル分の中国製品の関税を10%から25%に引き上げる」と通告したが、今回は関税引き上げを見送った上に期限も曖昧にしたままだ」



(3)「交渉が動かないのは、米中の対立が貿易問題から国家主権を巡る争いになりつつあるからだ。中国が巨額補助金を投じるハイテク企業の育成策「中国製造2025」は、中央集権で経済を動かす「国家資本主義」の根幹だ。米国は「補助金で輸出攻勢する中国企業に比べ、米企業の競争が不利になる」と補助金撤廃を要求するが、中国は見直しに応じない」

 

このパラグラフが、事態の本質部分であろう。米中が総力を挙げて「戦う」部分であるからだ。これは政治的な意味であり、経済的な分析は別の視点からすべきと見る。私なりの見方は、明朝に発行する「メルマガ69号」で明らかにしたい。