ポールオブビューティー
   

中国経済が深刻の度を加えている。この状態で、米中貿易戦争を戦える力などあるはずがない。張ったりに過ぎない。デフォルトの多発が、それを証明している。製造業PMI(購買担当者景気指数)は、6月も50を割り込んだままである。輸出新規受注が不振だ。米中貿易戦争の影響が色濃く出ている。

 

『大紀元』(7月5日付)は、「中国、上半期社債デフォルト、前年比約2.6倍増」と題する記事を掲載した。

 

(1)「中国金融情報企業Windによると、今年上半期中国信用債(無担保社債)の債務不履行(デフォルト)規模が668億元(約1兆475億円)に達し、前年同期比約263%増となった。中国メディア「21世紀経済報道」2日付によれば、Windの統計では、今年上半期において96銘柄の信用債が新たにデフォルトした。昨年末から、新たに19社の企業がデフォルトした発行体に加わった。国内証券アナリストは、この19社のうち、18社が民営企業だと指摘した。製造業、化学工業、貿易、食品、通信、自動車などの分野に及ぶ。また、アナリストは、今年上半期における製造業のデフォルトが全体の6割以上を占めたとし、景気後退で製造業が経営難に陥っている実態が露呈した」

 

中国のような契約概念の希薄な社会で、無担保社債を購入するには相当な勇気が必要である。高利をつけて購入意欲を高めきたのだろう。それが、逆に不況期で抵抗力を失わせてデフォルトに至ったに違いない。国有企業が一社も含まれていないことで分るように、国有企業は保護されている。

 


(2)「一部のアナリストは下半期にも信用債のデフォルトが拡大する可能性があると指摘した。市場が金融機関の信用状況を再評価し、格付けの中低レベルの債券の担保条件を厳しく求めているのが主因だという。ブルームバーグによると、中国では6月だけで、14銘柄の信用債がデフォルトし、金額規模98億元(約1537億円)を上回った。3月以降の高水準となった。北京市、広東省と甘粛省のデフォルト規模が全国のトップ3位を占めた

 

北京市、広東省と甘粛省のデフォルト規模が全国のトップであることに注目していただきたい。北京・広東という中国の「顔」とも言うべき大都市が、中国でも開発の遅れた甘粛省と並んでデフォルト多発地帯になっていることは、中国全土がデフォルトに巻き込まれている証拠である。よくぞ、こういう経済環境で「最後まで米中貿易戦争を戦う」と言えるものだと感心する。

 

財新・マークイットが発表した6月の中国製造業購買担当者景気指数 (PMI)は49.4と1月以来の低水準を記録した。この財新・マークイット調査の製造業PMIは、民営企業の経営状態をより正確に把握している。その点が、国家統計局調べの製造業PMIと異なっているので、デフォルト多発の民営企業の実情を説明している。

 

財新・マークイット調査の製造業PMIでは、内需、外需ともにさえず、米中貿易戦争に製造業が一段と圧迫されていることが浮き彫りとなった。過去1年間に打ち出された一連の景気支援策にもかかわらず、中国経済は失速したままである。財新・マークイットのPMIでは生産と新規受注がともに1月以来の減少。一部の企業は貿易摩擦を理由に生産ラインを停止したことを明らかにした。中国経済は厳しい局面である。