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日本政府が7月1日、対韓国の輸出優遇撤廃を発表して以来、韓国大統領府は混乱の極にある。経済政策立案の経験もなく、ただ文在寅氏と学生運動仲間というだけで取り立てられ秘書官たちだ。何をどうやったら良いのか手順も分らず、時間を空費しているだけである。

 

110年前の朝鮮李朝もこんな風に混乱していたのであろう。日本を批判し侮辱することにかけては世界一だが、守りに入った時の弱さは想像を絶する。文政権は、これまで「反企業主義」を貫き極力、大企業幹部との接触を控えてきた。それだけに、生の経済情報があるわけでない。そこで急遽、30大企業グループトップを呼んで意見を聞くというのだ。一種の「ショー」であることは間違いない。

 

『朝鮮日報』(7月10日付)は、「文大統領と頻繁に懇談会、露出をためらう韓国財界」と題する記事を掲載した。

 

日本の経済報復と関連して、文在寅大統領が10日、30大企業のトップと会う懇談会では、韓国企業の被害状況や今後の対策などが主に話し合われる予定だ。韓国大統領府関係者は9日の記者会見で、「今回の企業懇談会には総資産10兆ウォン(約9200億円)以上の30社のトップが出席する。日本の輸出規制に対する現実的な取り組みについて意見を交わす予定だ」と述べた。

 

(1)「財界関係者の間からは、「政府が日本の問題で企業と会う姿が繰り返し映し出されるのは負担だ」という声も聞こえてくる。李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長と辛東彬(シン・ドンビン、日本名:重光昭夫)ロッテグループ会長も日本出張で懇談会を欠席すると見られている。今回の懇談会では、日本政府が輸出規制対象品目として発表した半導体・ディスプレイ中核部品3品目に直接関係のない企業も多数出席する予定だ。韓国大統領府関係者は「追加があり得る(輸出規制)品目まで総合的に考慮し、産業の大部分を網羅する大企業に範囲を定めた」と述べた」

 

日本が韓国を「ホワイト国」(輸出規制緩和国)から除外する追加報復措置を取れば、韓国の主な企業のほとんどが影響を受けることになる。これだけ、日本経済に依存している構造になっている。文政権は、この現実を弁えず「親日排除」を続けてきた。日本が一度、韓国を「ホワイト国」待遇から外すとこの騒ぎである。政策対応能力がゼロであることを世界に示している。

 

下線を引いた部分は、30大企業グループトップの大統領府に集まる映像が放映されると、日本側が追加措置の対象に加えるのでないかと懸念しているという。問題の本質は、企業トップを集める「ショー」を行うことでなく、日本から疑惑をもたれている「横流し」の一斉点検をすることであろう。そういう地味な実務能力はゼロである。

 


こういう韓国政府の慌てふためく姿は、韓国メディアにとって嘲笑の対象である。

 

『朝鮮日報』(7月8日付)は、「危機が迫るや積弊扱いしてきた大企業と対話する韓国政府と題する社説を掲載した。

 

(2)「経済副首相と大統領府政策室長がサムスン・現代自動車・SKなど大企業グループのトップや最高経営責任者(CEO)に会ったのに続き、10日には文在寅大統領が30大グループのトップを招いて懇談会を開く予定だ。文大統領が大統領府に企業関係者を呼ぶのは、大統領就任からこの2年余りの間でたった2回だったが、貿易報復問題が発生するや大あわてで3回目の機会を作ることになった。外交交渉で突破口を見いだそうという努力は見当たらず、何の罪もない企業ばかりを集めて対策を見いだそうというのだ」

 

文政権は普段、疎遠にしている大企業に対して、お祭り騒ぎのような振る舞いだ。今年に入って二度、元老的な人々を大統領府に招き懇談会を開催した。その際、最賃政策の手直しと対日外交行き詰まりを警告されていた。結果的には聞き流して、日本からは「ホワイト国」の恩典を取り消される事態となっている。

 

文政権は、他人の意見を聞くポーズだけは取る。現実は、「聞く耳持たず」である。きょう開催の財界人との会議も開くだけ。何の具体案も出さずに時間を空費し、「日本悪者論」だけを言い募る腹であろう。