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文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、学生時代のデモで警官隊と衝突し、逮捕されたという経歴の持ち主です。義のためには戦う闘士でしたが、現在はすっかり温和になって『塹壕』に籠もり、日韓外交の停滞に立ち向かうお気持ちが萎えてしまったようです。

 

文大統領は10日、サムスン、現代自動車など大企業30社のトップを大統領府に呼びました。日本による経済報復問題について2時間にわたり意見を交換したそうです。企業側では、大統領直々から外交面での解決など、高度の政治的な決意を聞かせて貰えると期待したそうです。ところが、企業に対して技術面での自立や輸入先の多角化など、「低レベル」の話を聞かされがっくりしたそうです。肩すかしを食ったのです。

 

もっとも、文大統領は次のように語ったそうです。

(1)「韓国政府は日本の不当な輸出制限措置の撤回と対応策作りに悲壮な覚悟で臨んでいる」

(2)「何より政府は外交的解決のために最善を尽くしている」


先ず、(1)から考えて見ましょう。「日本の不当な輸出制限措置の撤回」と言っていますが、文氏は本質部分で大きな錯覚をしています。日本から「ホワイト国」としての待遇を受けてきたのは厚意であって、韓国の既得権益ではありません。この点が、先ず間違っているのです。この思い上がりが、日韓外交をギクシャクさせた最大の要因に思えます。

 

近所付き合いでも、こういう「勘違い人間」と時に出会いますが、愉快でありません。韓国は、欧州各国から「ホワイト国」待遇を受けていないのです。それにも関わらず、日本はお人好しで「ご近所」の誼でお仲間に入れたら、約束を守らなかったと言うことです。だから、日本の「サークル」から出て下さいと言っているだけ。それがなぜ「不当」ですか。韓国は、日本の「厚意」を無視して、「権利」だと騒いでいるのです。

 


次に、(2)です。「外交的解決のために最善をつくす」とは、何を意味するでしょうか。これは多分、WTO(世界貿易機関)への提訴でしょうが、「厚意」を「権利」と錯覚して勝訴できるとは思えません。日本から「ホワイト国」待遇を受けていない諸国は、すべてWTOへ駆け込みます。それは、WTOにとって迷惑この上ない事態です。

 

文氏は、今回の「ホワイト国」問題をつくった最大の責任者です。韓国大法院判決を誘導し、思い通りの判決を出させた上に、日本政府からの話合いを無視してきたのです。それが、こういう形で日本から「信頼欠如」と判定され、「ホワイト国」の待遇を受けられなくなった背景なのです。

 

文氏は、外交的に解決する意思があるならば、徴用工問題を法的に解決する手段として「第三国仲裁委」に委ねるべきです。仮に、韓国大法院判決が否定されても司法府の問題であり、行政府に関わりのないことです。文氏が、この「第三国仲裁委」に難色を示しているのは、あの判決を出させた黒幕が文氏であったことの露見を恐れている証拠でしょう。いずれにしても、文氏は責任を逃れられません。観念することです。最高指揮官として責任を回避するのは、「人間失格」となります。