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12日、経産省別館10階で韓国の担当官と経産省課長が、今回の輸出規制を巡る問題で向き合った。韓国では、日本側の対応がきわめて悪かったと報じている。最初から、経産省課長は能面のように対応。握手なし、名刺交換なし、水なしという光景そのもの。会談場所の会議室は、倉庫のように金属製椅子が積み上げられ、床には壊れたような電気器具が置かれていたという。

 

なぜ、日本側がこのような対応したのか。

 

過去の韓国側が、日本に対して行った「やり返し」も考えられる。2015年暮れ、日韓慰安婦問題の調印がソウルの大統領府で行われた。安倍首相が出席したが、昼前に一切の手続きが終わった後、韓国は昼食も出さなかったのだ。さすが、朴槿惠(パククネ)大統領は、気になったと見えて、「食事はどうなさいますか」と聞いてきた。安倍首相は、「おいしい焼き肉店を予約してある」と答えた。

 

この報道に、私は韓国がいかに酷い待遇をしたか。「怒り」込めてブログに書き込んだ。「次に韓国大統領が訪日しても食事を出すな」と。昨年2月の平昌五輪で、安倍首相は食事の接待を受けたのは一度だけ。北朝鮮代表団を率いてきた正恩氏の妹は、5回も接待されたと報じられた。

 

食事の接待は、外交においては特別の意味を持つ。韓国は、前政権も現政権も日本を敵対視する扱いをしてきた。この事実をまず頭に入れていただきたい。

 

『朝鮮日報』(7月13日付)は、「日本の意図的な冷遇に韓国政府・国民は冷静に対応すべき」と題する社説を掲載した。

 

韓国最大の発行部数を誇る朝鮮日報の社説である。日本の冷遇に隠された意図があるはずだと論じ、政府と国民に冷静な対応を呼びかけている。私は、この呼びかけは正しいと思う。

 

(1)「日本による輸出規制問題について話し合うため昨日東京で開催された韓日による初の実務協議で、日本側は韓国代表団を意図的に冷遇した。日本は倉庫を思わせるような雑然とした部屋に二つのテーブルを置き、臨時の会議場を作った。テーブルの横に置かれたホワイトボードには「輸出管理に関する事務的説明会」と書かれていた。「韓国政府が今回の措置を気にしているので説明するに過ぎない。韓国の主張は聞かない」という意味だ」

 

下線を引いた部分は、今回の措置が日本国内の手続き変更に過ぎない。それにも関わらず、韓国政府の担当官が日本へ撤廃しろと迫るのは、筋違いであるということを意味している。抗議は聞きません。それならば、お帰り下さいという拒絶の意志である。

 


(2)「韓国の大法院(最高裁に相当)が強制徴用被害者への賠償を命じる判決を下したことで、今の韓国と日本の対立が始まった。今の状況に対して日本が不満を持つのはある意味当然だろう。彼らの立場からすると、問題の大法院判決は韓日協定に反するものだったはずだ。しかしそれが貿易報復という暴力的な手段を使う理由にはならない。貿易をやめるのは敵対行為に他ならず、対立解消に何の役にも立たない。外交問題は対話と交渉によって解決していかねばならない」

 

韓国の良識派は、徴用工判決が国際法違反であることを認めている。朝鮮日報もその立場だ。その点で、日本と共通意識である。ただ、貿易報復は余りじゃないですか。韓国経済の困惑も一つ考えて下さいと言っているのだろう。ここが難しいところだ。外交目的を達成するには、正論を言い続けても、相手国が無視していれば効果は上がらない。貿易手続きは、ルール通りに行い、韓国の甘えを糺すのも外交手段である。

 

(3)「すべてを事前に計画し準備するのは日本の特徴だが、そう考えると今回の冷遇も意図的に行われたのだろう。それに対して我々が興奮すれば、日本の意図に巻き込まれる恐れがある。冷静かつ落ち着いて対処しなければならない。韓国社会の一部では日本製品の不買運動が始まっているようだが、これは何のプラスにもならない。日本は韓国政府と韓国国民がどのような態度を取るか計算している。その計算とは違った行動を起こさねばならない

 

18日は、日本が「第三国仲裁委設置」を要求している期限に当る。この日にも「無回答」であれば、「韓国政府は分ってますね」というシグナルであろう。韓国大統領府は、大法院判決を庇う必要がない。三権分立であれば行政府が、司法府の判断に束縛されて動けないのは異常である。それが、日韓対立の原因だ。

 

国際法では、司法が条約に立ち入らないという原則を立てている。文大統領の意向を忖度した大法院判決を、国際司法の場で再吟味すること。文政権が、この危機を乗り越える残されたチャンスであろう。