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韓国は、日本を非難して米国へ仲裁を求めるべく、オールキャスト総動員で渡米させた。だが、結論は「理解した」というものに終わった。外交用語では、一番低いランクの「わかりました」である。別段、韓国のために一肌脱いで、日本を説得しましょう、という内容でなかった。お疲れさまでした。

 

韓国が日本の輸出規制の不当性を知らせるため、青瓦台(チョンワデ、大統領府)は10日(現地時間)、金鉉宗(キム・ヒョンジョン)国家安保室第2次長を米に派遣。康京和(カン・ギョンファ)外交部長官は10日夜に、ポンペオ米国務長官と電話で日韓問題をめぐり意見を交わした。その結論は、前述の通り「理解した」である。

 

日本が、すでに米国へ説明済みと考えなかっただろうか。昨年10月、韓国大法院から徴用工判決が出て以来、日本は対策を練ってきた。約100の対策があるというが、今回のような主な対策では、米国にも影響が及び兼ねないだけに事前通報済みと読むべきである。トランプ大統領と安倍首相が、直接話せる時間はいくらでもあったのだ。韓国が、大慌てで「ワシントン詣で」したのでは、遅かりし由良之助である。

 

『朝鮮日報』(7月13日付)は、「米国は同盟亀裂を懸念するも仲裁はせず」と題する記事を掲載した。

 

(1)「日本を訪れている米国のデービッド・スティルウェル国務次官補(東アジア・太平洋担当)が、日本滞在二日目の12日、NHKのインタビューに応じて「アメリカとしては、北東アジアで最も強固な同盟関係に隙間や亀裂が生まれないようにする必要がある」と語った。スティルウェル国務次官補は「韓国と日本が緊張関係にあるのは助けにならない」と述べつつも「両国が前向きに協力できる分野に目を向け、障害を乗り越えるよう促していく」と語った。ただし「私が(韓日の争いを)仲裁する計画はない」と一線を画した。NHKは「現時点ではアメリカとして積極的には仲介はせず、日韓の対話による解決を促す姿勢を強調した」と解釈した。

 

スティルウェル米国務次官補は、日韓の仲裁意志なしとした。言外に、日本の行動を支持しているからだ。まだ、韓国で減産などの影響が出ていない以上、見送るのが普通である。米国がこの問題で仲裁するとなれば、徴用工問題を抜きに話を進められまい。となれば、韓国が自主的に徴用工問題で日本の納得の得られる回答を出さざるを得なくなる。韓国は、そこまでの覚悟を固めているだろうか。

 


(2)「ハリー・ハリス駐韓米国大使は12日、韓国の保守系野党「自由韓国党」所属で国会外交統一委員会の委員長を務めるユン・サンヒョン議員と会談し「今は、米国政府が韓日関係を仲裁したり介入したりする意思はない」と発言したという。ユン議員のオフィスは12日、本紙の電話取材に応じて「午前中にソウル市内で行われた非公開の会談で、ハリス大使が『今は米国が韓日関係に介入すべき時期ではない』と発言した」と伝えた」

 

ハリス駐韓米国大使も、米国政府が仲介する意思のないことを明らかにした。

 

3)「米国を訪れている韓国大統領府(青瓦台)の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)国家安保室第2次長は12日(現地時間)、チャールズ・カッパーマン大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)と会った後、報道陣の取材に応じて「日本が韓米日高官級協議に消極的で、今回のスティルウェル国務次官補のアジア歴訪中には(高官級協議の実現は)難しいだろう」「われわれは日本と対話する準備ができている。私も常に準備できている」と語った。今回の状況について、外交消息筋は「スティルウェル国務次官補、ハリス大使、金次長などの話を総合すると、韓国政府の仲裁要請にもかかわらず、米国は日本の立場を変えるほど積極的に動きはしないらしい」と語った。別の消息筋は「米国は、自分たちの同盟国である韓日の対立が大きくなるのは望まないが、今は双方の対立に介入すべき時期ではないと判断しているようだ」と語った」

 

韓国は、米国の仲裁の意義が分っているだろうか。半導体製造の3素材が、従来通り輸入できれば、それで目的を達成すると思っているかも知れない。しかし、自らが譲歩する案を持たない限り、仲裁は成功しないもの。要するに、仲裁は取引である。韓国は、何を取引対象にするのだろうか。私なりの見方は、あす発行の「メルマガ」に書く。