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韓国大統領府は、頭に血が上ったような雰囲気である。だが、韓国進歩派は、日本提案の「第三国仲裁委設置」を受入れろと主張している。日本の言い分は、日韓基本条約の条項に則ったものであると、その理由を説明している。

 

『中央日報』(7月17日付)は、「『韓国は日本をあまりにも知らなすぎる』」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙の イ・チョルホ中央日報コラムニストである。

 

1997年11月28日、韓国の副首相が日本の大蔵大臣に会って緊急資金支援を要請したがけんもほろろに断られた。米国財務省がすでに大蔵省に「金を貸すな」と手を打っていた状態だった。大蔵大臣は「日本の単独支援は難しい」という言葉を繰り返すのみだった。先週末の日本の冷遇も米国との事前共感や最小限の黙認があったとみるべきだ。
 

(1)「文大統領が安倍首相の張っておいた罠に引っかかったような感じだ。日本は正確に急所を突いた反面、韓国は慌てながらただ腕力だけを振り回している。一昨日、文大統領の「結局、日本経済のほうが大きな被害を受ける」という発言も事前に計算されたものかどうか疑わしい。これまでの「韓国の被害が3倍以上」という分析からは非常に乖離した状況だからだ。政府が十分に経済被害を確認してみたのかも疑問だ。民間の経済研究所によると、先週末、韓国開発研究院(KDI)が「上からの急な指示」として日本貿易規制に関する資料があれば協力してほしいとあたふたと要請してきたという。いくらKDIといっても2~3日で分析を終えるのは無理というものだ」

 

 韓国が、冷静な計算に裏付けられたデータに基づく議論でなく、感情論で動いていることは下線部分に現れている。

 

(2)「最近、日本専門家のインタビューのうち、大きく2つのことが恐ろしく迫ってくる。まず一つは「今回の事態による教訓は、韓国社会が日本に対して驚くほど無知だったという点」という津田塾大学の朴正鎮(パク・ジョンジン)教授の指摘だ。日本で嫌韓の雰囲気が盛り上がり、安倍政府が公然と刀を研いでいるにもかかわらず、韓国は事前の警戒と予防に失敗した。もう一つは「安倍政府は東京オリンピック(五輪)が開かれる来年7月ごろに妥協に出る」という松山大学の張貞旭(チャン・ジョンウク)教授の診断だ」

下線部分で、韓国が日本の対応策も知らないで、むやみやたらと棒を振り回している点を指摘している。驚くほど、日本を研究していないのだ。韓国は、情報分析で日本に負けている。

 


(3)「意外にも今回の葛藤の解決方法をめぐり、保守・進歩陣営間の違いも大きくない。むしろ進歩側の意見が合理的だ。どちらの陣営も外交的解決法を注文する。ハンギョレ新聞は「世界貿易機関(WTO)に提訴しても数年を要し、韓国企業の困難をすぐには解決できない。勝訴したとしても、報復の撤回や被害の原状回復を引き出すのは容易ではない」と報じた。政府側であり、学者の鄭泰仁(チョン・テイン)氏も京郷(キョンヒャン)新聞に「両国の最終審級が65年韓日協定を相反するように解釈した。日本政府がこの協定に基づいて仲裁を要求するのは最もなことだ。韓国政府はこの要求に応じて大法院の判断根拠を説明し、日本子会社の資産差し押さえの問題も議論するべきだった。ただ冷遇してどうにかなるようなことではなかった」と書いた」

 

ここでは、進歩派が韓国の無策を嘆いている。WTO提訴は時間がかかりすぎること。日韓基本条約にそって「第三国仲裁委設置」が合理的としている。大統領府は、赤面の至りであろう。

 
(4) 「民主弁護士会(民弁)のソン・ギホ弁護士も民主党の懇談会で「日本政府としては国際仲裁委に回付するのがむしろ国の責務」と認めた。ソン弁護士はさらに一歩踏み込んで「韓国政府が個人請求権賠償金を先に支給し、その後に国際仲裁手続きによって補償金問題を解決しなければならないだろう」と提案した。このように進歩側専門家たちも口をそろえて仲裁委の構成が不可避だと考えている。それなら迷う理由がない。締め切り期間である明日、青瓦台(チョンワデ、大統領府)で与野代表会談が開かれる。勝負に出る最後の機会だ。米国も仲裁委カードくらいは出てきてこそ、韓日仲裁に出るものとみられる」

韓国が、「第三国仲裁委設置案」をうけいれてこそ、米国も仲裁に乗り出せる機会である。それをメンツで潰すのは、チャンスを失うことになる。進歩派はこう嘆いているのだ。