a0001_002230_m
   

日本の梅雨も不順だが、中国南部では連日の豪雨で被害が続出している。死者が川を流されて行くほどで手がつけられない状態だ。政府は、この惨状の報道を禁じており、ユーチューブに画像が投稿されて被害実態の酷さを伝えている。

 

『大紀元』(7月19日付)は、「中国南部、ほぼ水没、連日豪雨で河川決壊、メディアが報道せず」と題する記事を掲載した。

 

中国の珠江、湘江、長江流域では連日の豪雨により、約4000本の河川で警戒水位を超えた。湘江では、堤防が決壊するなどの災害が起きている。被災者が投稿した動画には倒壊した建物や押し流された線路、水面に浮かぶ死体が映っている。一方、中国メディアはこの災害にほとんど触れていない。

7月上旬以降、中国では江西、広西、広東、湖南など10以上の省で水害が発生している。政府機関は14日、国内の377の河川が警戒水位を超えたと発表した。全国で出された防災警報は合計1万5000回に上る。

 

(1)「ツイッターには各地の豪雨の様子を撮影した動画が投稿されている。湖南省で撮られた動画には、湘江両岸で水面が河川敷より5メートルも高くなり、付近の住民が決壊を防ぐため急いで砂嚢を積む様子が映し出されている。別の動画には洪水で亡くなった人の遺体が流される様子も映っている。湖南省衡山県では9日朝6時、曹家湖堤防が幅15メートルにわたって決壊し、樹木の高さにまで水があふれ、楊梓坪村など4つの村が水没し、134ヘクタールの土地が流された」

 

一般家庭では、ベッドまで浸水している状況が撮されているほか、犠牲者の葬列が洪水の中を進んでいく、という想像もできない光景が映し出されている。被害のほどが分る。一方では、三峡ダムの地盤に亀裂が入っているのではという、深刻な情報も飛び交っている。こういう中で、中国政府はあえて洪水関連情報を全て締出しているのかも知れない。 

 

(2)「湖南省の洪水干ばつ対策本部は11日、同省の被災者数は約280万人で、行方不明者は6人、死者は少なくとも11人、経済的損失は53億元(約835億円)を超えると発表した。中国政府は被災地救援の指示を出したと発表するにとどまり、具体的な被災状況については公にしていない。中国中央テレビは17日深夜のニュースで、アメリカの停電の情報を流したが、湖南省の水害については全く報道しなかった。湖南省に住むある女性は海外メディアの取材を受け、「地元のニュースで何も報道されていないので、被災者の人数は全く知らない」と述べた。また別の女性は「政府はいつも真実を隠し、一般市民が生き延びる道すら閉ざしてしまう」と語り、怒りをにじませた」

 

日本を襲うと心配された台風5号は、中国南部をかすめている。被害は、さらに広がっているにちがいない。洪水被害という身近な情報すら遮断している目的は、社会不安の防止であろう。中国は、ここまで末端が社会不安におののいているのだろう。