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韓国大統領の文在寅(ムン・ジェイン)氏は、外交路線で迷いが出て来たように思える節が窺えます。韓国大統領府には、学生運動家上がりの「野人」を多くかき集めて「秘書官」のポストを与えました。だが、どうも期待通りの仕事をしてくれません。大統領任期5年中、すでに2年を経過しました。残り3年でも任期5年目は「レームダック化」して仕事にはならないのです。

 

となると、残る正味2年の間に成果を出さなければなりません。秘書官の政策目線は、学生時代だった1980年代の意識で凝り固まり、「視野狭窄症」の連中ばかりです。その結果、文政権は「親中朝・反日米」路線に囚われている、と日本の安倍がトランプに吹き込んでいる。そう思い始めたようです。

 

以下は、私の考える文氏の「独白」です。

 

これまでの文政権の外交政策を特色づけてきた「親中朝・反日米路線を卒業する必要性がありそうだ。せっかく中国や北朝鮮に親愛の情を持って接しても、裏切られ放しである。中国は、北朝鮮と対立していたときは、韓国を大事に扱うような素振りを見せていた。だが、北朝鮮と行き来が復活した現在、韓国に辛く当っている。THAAD(超高高度ミサイル網)設置も、中国は無害であることを百も承知のくせに、韓国に難癖をつけて経済制裁を続けている。

 

北朝鮮はと言えば、米国とのホットラインができたのを機会に、韓国の仲介を受けなくても米国とパイプができている。ハノイでの米朝会談失敗以来、北朝鮮は露骨に韓国を非難し始めた。3回に渡る南北首脳会談を開催しても、未来につながるような展望が広がっている訳でない。

 


日本はと言えば、安倍がトランプに対して、韓国は「親中朝・反日米」だと吹聴している。だから、米国は韓国に対しいて心から打ち解けた態度を見せてくれないのだろう。米国の「アジア太平洋戦略」でも、韓国には本気で声を掛けてくれようともしない。多分、安倍が韓国は当てにならない国だ、と言っているかも知れない。

 

文氏が、過去2年間の外交を振り返ると、韓国のことを親身になって考えてくれる相手国は一つもないのです。日韓対立が激しくなって、韓国の身の置き場なくなってきました。日本は、米国だけでなく中国とも誼を通じている。韓国は、外交的に孤立していることに、はたと気付いたのでしょう。

 

そこで、起死回生策として、米国のトランプ氏に日韓対立の仲介役を頼み、米国との関係を深めて、現在の外交的な孤立から脱出しようと模索し始めているように思います。

 

文氏が、こういう結論に達したとしても不思議はありません。今回、米国への仲介依頼には、文氏の深い悩みがあるように思います。皆さんは、どういう感想でしょうか。