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ソウル市の中心部で27日夜、文在寅(ムン・ジェイン)政権を支持する革新系団体の主催で、日本の対韓輸出規制への抗議集会が開かれた。手にロウソク灯した数百人が、「経済侵略を中断しろ」などと叫び、近くの日本大使館へと行進した。

 

このデモは、8月15日まで毎週、土曜夜に行われる計画という。文政権支持を掲げているだけに、参加者は限定されることも考えられる。デモでは、保守派反対と叫んでいるので、日本の対韓輸出規制への抗議集会が全国横断的な組織にならず、早くも分裂している感じを与える。あえて「保守派非難」と「日本批判」を一緒にしているところに、文政権の真の狙い(反日=反保守派)が浮かび上がっている。

 

『日本経済新聞 電子版』(7月27日付)は、「ソウル中心部で反日集会、輸出規制強化に抗議」と題する記事を掲載した。

 

(1)「ソウル市の中心部で27日夜、文在寅(ムン・ジェイン)政権を支持する革新系団体の主催で、日本の対韓輸出規制への抗議集会が開かれた。数百人が「経済侵略を中断しろ」などと叫び、近くの日本大使館へと行進した。日本の植民地支配からの解放を記念する815日の「光復節」に向け、日本製品の不買運動と合わせて抗議活動がエスカレートする可能性がある」。

 

市民団体や労組の主催だけに、これら組織に反感を持つグループが合同した「反日

デモ」になる可能性は低いように思われる。韓国世論では、今回の「ホワイト国」問題では、日本政府批判50%のほか、韓国政府批判も35%ある事実を見落とせない。

 


(2)「集会はソウル市中心部にある光化門広場で開かれた。参加者は「NO安倍」と書かれたプラカードを掲げ、日韓が防衛秘密を共有する軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄や韓国保守派を批判するシュプレヒコールを上げた。日本大使館が入居するビルの前では数百人の警官隊が厳重な警戒態勢を敷いた。デモの主催者には元徴用工訴訟を支援する市民団体や労働組合のほか、親北朝鮮を掲げる組織が名を連ねた。815日まで毎週土曜日に集会を開くという主催者側には朴槿恵(パク・クネ)前大統領を弾劾に追い込んだ「ろうそく集会」を想起させ、文政権が「親日派」とレッテルを貼る保守勢力を攻撃する目的もある」

 

下線を引いた部分が、このデモの本質を突いていると見られる。このデモが、大規模になるかどうかが注目される。デモの実態は、反日よりも保守派排撃という傾向を強めれば、「国論分裂」という印象をあてることになろう。

 

韓国南部の釜山でも27日、同様の抗議集会が開かれた。日本外務省は在留邦人や観光客に対し、日本関連の施設周辺では周囲の状況に注意を払うよう呼び掛けている。