117
   

韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防部長官と言えば、これまで韓国メディアで「腑抜けの将軍」と酷評されてきた。国会で、「北朝鮮は敵か」と質問され30分もまともに答えられなかったからだ。この裏には、文大統領の「北朝鮮融和策」が強い影響を与えていたはずである。

 

その「腑抜け」国防相が、ようやく「韓国を威嚇するなら敵」と発言した。だが、従来の「北朝鮮主敵論」を取り下げる一方、「威嚇するもの全て敵」と敵の範囲を広げたので、日本が潜在的な敵に想定さえていることに注意することだ。

 

韓国軍合同参謀本部は31日、北朝鮮が同日早朝に発射した飛翔体2発は「短距離弾道ミサイル」だったと明らかにした。「わが軍はきょう午前5時6分、5時27分ごろに北が(東部の)元山付近から北東方面の海上に発射した短距離弾道ミサイル2発(の軌跡)を捉えた」と発表した。高度は約30キロ、飛距離は約250キロと推定され、韓米の情報当局が詳細を分析しているという(『聯合ニュース』7月31日付)

 

この事態を受けた直後、鄭国防相は「韓国を威嚇するなら、北朝鮮は敵」発言が出たもの。北朝鮮が、ここまで軍事的脅威をまき散らせば、「敵」と呼ばざるを得まい。

 


『聯合ニュース』(7月31日付)は、「韓国国防相、『韓国を威嚇・挑発するなら北朝鮮は敵』」と題する記事を掲載した。

 

鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防部長官は31日、政府系シンクタンクの韓国国防研究院(KIDA)がソウルで開いた国防フォーラムで演説し、「われわれを威嚇し、挑発するなら北の政権と軍は当然『敵』の概念に含まれる」と述べた。鄭氏が昨年9月に国防部長官に就任して以来、北朝鮮に対する発言で最も強い表現だ。

(1)「国防部は今年初めに刊行した2018年版国防白書で「北朝鮮は敵」とする文言を削除し、「わが軍は韓国の主権、国土、国民、財産を脅かし、侵害する勢力をわれわれの敵とみなす」と表記。「敵」の概念を包括的に表現していた。 鄭氏は「われわれの安全保障を脅かすのは北の核・ミサイルだけではない」と述べ、「包括的な安保概念に基づき、われわれを脅かすあらゆる勢力を敵と見なすべきだ」と強調した」

 

下線部分は、敵の概念を広げている。昨年12月の海上自衛隊哨戒機へのレーダー照射事件は、日本を「友軍」と認めず、敵として位置づけていることが明らかになっている。

 

(2)「軍が北朝鮮を敵と見なす概念をなくし、将兵のメンタル教育も十分に行っていないとの指摘があるものの、北朝鮮に対しては将兵に明確な安保観を持たせるため「北の政権と軍が挑発してくれば断固として報復する態勢と能力を備えるべき」との内容を基本教材に明記していると紹介した」

 

文政権が、基本的に北朝鮮融和論を唱え、日本敵視論を明確に打ち出していた以上、今回の北のミサイル実験はきわめて不都合な事態だ。日本に対する敵視論は、今回の「ホワイト国」

除外の背景になっており、文氏の外交政策は全て破綻している。