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7月末の2日間にわたり開催された上海での米中交渉は、なんら成果なく終わった。再開は9月という。中国側が、これから始まる党幹部と長老との「北戴河会議」を前に、米国との合意を避けたのであろう。昨年の長老との会議では、習近平氏が批判されたので、その二の舞をしたくなかったとも見られる。

 

『ロイター』(8月1日付)は、「米中通商交渉が終了、米農産品購入を協議 進展乏しく9月に再会合」と題する記事を掲載した。

 

1年に及ぶ貿易戦争の解決を目指した米中の閣僚級協議は31日、予定を早めて終了した。双方ともに協議は建設的だったと評したが、進展はほとんどなかったとみられ、交渉は長期化する見通しとなった。次回の会合は9月に米国で開く。

 

(1)「米ホワイトハウスと中国商務省はともに、いかなる合意も発表しておらず、焦点となった中国による米国産農産品の購入拡大や中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)への米制裁の緩和について歩み寄りの動きも報告されていない。2日目の協議は実質半日で終了した。中国商務省は声明で「双方が共通の関心を持つ主要な通商・経済問題について率直ながらも非常に効果的で、建設的かつ突っ込んだやりとりを行った」とし、中国による米国産農産物の購入拡大が議題になったとしたが、購入拡大で何らかの合意に達したという説明はなかった」

 

上海会議は、何の成果もなく終わった。唯一の成果は9月に米国で開催することだけだ。お互いの主張を延べあっただけであろう。中国は、ファーウェイ問題で米国から緩和策を引き出さなければならず、この問題を解決しなければ先に進まない姿勢を見せているのであろう。

 

この間にも、中国の金融不安は進行してゆく。不動産バブル崩壊の後遺症が大きく、民間の金融システムは、不良債権発生で重圧が加わっている。本来なら、米中貿易戦争を早く終息させなければならないはずだが、あえて強気姿勢を崩さずにいる。

 


(2)「ホワイトハウスのグリシャム大統領報道官は声明で、協議は「建設的」だったと評価した上で、中国が米国産農産物の購入を拡大するとの見通しを表明。引き続き9月上旬にワシントンで協議を再開する予定とした。ただ、米国側も農産品購入についての詳細は明らかにしていない。ホワイトハウスは声明で、中国の国庫補助金や強制的な技術移転、知的財産権の侵害についても議論されたとした。中国側の発表は、農業以外の議題には言及していない」

 

中国外交の常套手段は、すぐに実行するような雰囲気だけ与えて、実行しないスタイルである。今回も同じだ。獲物だけ見せて与えない。これで、相手を自陣に引き込み妥協を迫るのだ。定番コースである。

 

(3)「中国共産党系メディア、環球時報の胡錫進編集長はツイッターで「双方は米国産農産物の購入拡大について討議し、米国側はそのための良好な環境作りで合意した。今後も協議は継続する」とした。環球時報は米国側に対し、両国間の信頼関係を修復するため、ファーウェイへの制裁を解除するとの約束を果たすよう呼びかけた」

 

中国は、農産物輸入を増やすが、見返りにファーウェイへの緩和を求めている。米国代表団には答えられないテーマである。